処理水放出に抗議 サイバー攻撃相次ぐ SNSで犯行声明も

福島第一原子力発電所にたまる処理水の海への放出をめぐってサイバー空間では、抗議する目的で、サイトをダウンさせようとしたり、ハッキングしたりする攻撃が相次いでいます。ハッカーグループはSNSで犯行声明を出すことを繰り返していて、専門家は「真偽不明の主張も多いので、注意が必要だが、基本的なセキュリティー対策を徹底してほしい」と呼びかけています。

福島第一原子力発電所にたまる処理水の海への放出をめぐって、サイバー空間では、抗議する目的で、サイトをダウンさせようとしたり、ハッキングしたりする攻撃が相次いでいます。

このうち、千葉市に本社を置く「セイコーソリューションズ」が販売するルーター、
「SkyBridge」では一部の機器で、管理画面などに入るためのログインサイトが何者かに改ざんされていることがわかったということです。

サイトには、処理水の放出に関して、「日本政府による無責任な排出に反対する」などと抗議する趣旨の英語と日本語のメッセージが掲載されていました。

会社では、今回の機器についてセキュリティー上の欠陥が見つかったとして、ことし2月に修正プログラムを出していましたが、被害を受けたのは修正を行っていないものとみられ、これまでにおよそ1800台が被害を受ける危険にさらされているということです。

会社はプログラムを最新のものにアップデートするよう呼びかけています。

旧ツイッターの「X」では、改ざんしたサイトの画像とともに犯行を主張するグループの投稿もみつかっています。

また、「アノニマス」を名乗るハッカー集団が、処理水の放出に関連して、日本の複数のウェブサイトに大量のアクセスをしかけてダウンさせる「DDoS攻撃」を行ったという主張をSNS上で繰り返しています。

投稿では、日本の国会や国会議員などのサイトにも攻撃を行ったとしていて、関連は不明ですが、このうち福島市役所では、24日の早朝から4時間ほど、福島県庁では夕方に45分ほどホームページへのアクセスが急増し、つながりにくい状態になったということです。

ハッカー集団の動向を監視・分析するNTTセキュリティ・ジャパンの真鍋太郎さんは「アノニマスによる日本への攻撃としてはかなり大規模なものとなっている。真偽不明の主張も多いので見極めも必要だが、ソフトウエアを最新にするなど基本的なセキュリティー対策を徹底してほしい」と話しています。