アフガニスタン 米軍撤退から2年 地域の不安定化に懸念強まる

アメリカ軍がアフガニスタンから撤退して、30日で2年となります。現地では、イスラム主義勢力タリバンの暫定政権が治安を担っていますが、アメリカが残した武器が隣国で新たなテロに使用されている疑いも指摘されるなど、地域の不安定化に懸念が強まっています。

アメリカ軍は、2021年8月30日、アフガニスタンから部隊の撤退を完了し「アメリカ史上、最も長い戦争」ともいわれた20年におよぶ軍事作戦に終止符を打ちました。

アメリカ軍が撤退したアフガニスタンでは、イスラム主義勢力タリバンの暫定政権が治安を担っていて、テロを繰り返す過激派組織IS=イスラミックステートに対し、取り締まりを進めています。

こうした中、国連はテロなどによる民間人の死傷者数は減っているとする一方で、少数民族などを標的とした爆弾テロが続いているとも指摘しています。

また、隣国パキスタンの治安当局などはアメリカがアフガニスタンの前の政権の治安部隊に供与した72億ドル相当の武器の一部が、国境を越えてタリバンと密接なつながりがあるとされる自国内の過激派組織にわたり、新たなテロに使用されている疑いがあるとしています。

パキスタンのシンクタンクのまとめによりますと、ことし1月から6月までに国内で発生したテロは去年の同じ時期に比べて、79%増加しており、地域の不安定化に懸念が強まっています。