国内の金の小売価格 最高値を更新 1グラム1万50円まで値上がり

国内の金の小売価格は30日、1グラム当たり1万50円をつけ、最高値を更新しました。世界経済の先行きへの不透明感が高まる中で、比較的安全だとされる金に資産を移す動きが広がっていることが背景にありますが、円安が進んだことも金の価格を押し上げる要因となっています。

大手貴金属会社「田中貴金属工業」が30日発表した国内の金の小売価格は1グラム当たり1万50円まで値上がりし、最高値を更新しました。

金の1グラム当たりの小売価格は29日、初めて1万円を超えましたが、引き続き金を買う動きが強まっています。

金の価格が上昇しているのは、中国経済の先行きへの懸念が強まっていることに加えて、アメリカなどの金融引き締めが長期化するとの見方から世界経済が減速するリスクが意識され、比較的安全だとされる金に資産を移す動きが広がっているためです。

また、このところ外国為替市場で円安が進んでいることも金の小売価格を押し上げています。

一方、大阪取引所で取り引きされている「来年6月もの」の金の先物価格も、29日夜に一時、1グラム当たり9093円まで上昇し、取り引き時間中の最高値を更新しています。

市場関係者は、「世界経済の先行きへの懸念から引き続き金が買われやすい状況だ。円安が進んでいることもあり、金の価格は当面、上昇傾向が続くのではないか」と話しています。