政治
海外パビリオン遅れる中 政府主導で万博準備指示へ 岸田首相
再来年の大阪・関西万博をめぐっては、海外の国や地域がみずから費用を負担して56のパビリオンを建設する予定ですが、資材価格の高騰などで着工が遅れ、予定どおりの開催を不安視する声も出ています。
こうした中、政府関係者によりますと、岸田総理大臣は31日、岡田万博担当大臣ら関係閣僚と、大阪府の吉村知事や博覧会協会のトップを務める経団連の十倉会長らを交えて会談し、対応を協議する方向で調整を進めています。
会談で岸田総理大臣は関係閣僚に対し、予定どおりの万博開催に向けて政府主導で準備にあたるよう指示する見通しです。
岸田総理大臣としては、再来年の開催方針に変わりはないという立場とともに、政府が前面に立つ姿勢を明確にし、準備を加速させたいねらいがあるものとみられます。
これに関連し、松野官房長官は30日の記者会見で「大阪・関西万博の開催に向けて関係者が一丸となって準備を進めていくことが重要だ」と述べました。
経産相と万博相 博覧会協会を訪問“参加国へのサポート強化”
こうした中、西村経済産業大臣と岡田万博担当大臣は30日、大阪市にある実施主体の博覧会協会を訪問しました。
この中で西村大臣は協会の職員に対し、「海外パビリオンで、工事の契約が進んでいない国がいくつも残っている。まさに正念場で、危機感を持って『何としても成功させる』という心意気で、責任を果たしてもらいたい」と訓示しました。
このあと、西村大臣らは、大阪府の吉村知事などとともに協会が入る建物から、万博会場の予定地を視察し、工事の進捗状況などについて協会側から説明を受けました。
視察のあと、西村大臣は記者団に対し、「建設事業者が決まっていない参加国に対しては、マンツーマンでサポートをしているところだ。経済産業省としても総力をあげて万博の開幕成功に向けて取り組んでいるので、しっかり準備を加速させていきたい」と述べ、参加国へのサポートを強化し、準備を加速させていく考えを示しました。
さらに、特に準備が遅れている一部の国や地域に対し、博覧会協会が組み立て式の建物を建てて各国に外装などを委ねる方式を提示していることについて、「いくつかの国と『これでいこうか』と話を進めている。取りまとめができ次第、その数なども公表していきたい」と述べ、複数の国が、この方式の採用を検討していることを明らかにしました。
自民 二階氏“党として全面的に支援”
岸田総理大臣は、30日午後、自民党の大阪・関西万博推進本部の本部長を務める二階・元幹事長と党本部でおよそ30分間、会談しました。
この中で岸田総理大臣が万博の開催に向けた政府の取り組み状況を説明したのに対し、二階氏は党として全面的に支援する考えを伝えました。
維新 藤田幹事長“政府の意思示すことは大変重要で歓迎”
日本維新の会の藤田幹事長は記者会見で「政府のリーダーシップと『絶対にやるんだ』という意思を示していただくことは大変重要で歓迎する。万博の開催に良い形で踏み込んでいけるよう、一致結束してやるしかない」と述べました。