“ウクライナの学校 ロシア軍事侵攻で1300校超破壊” ユニセフ

ユニセフ＝国連児童基金は、ロシアによる軍事侵攻によって破壊されたウクライナの学校の数が、全土で1300校以上にのぼると明らかにし、子どもたちの学習能力の低下につながっていると危機感を示しました。

これは29日、ユニセフでウクライナを管轄する欧州・中央アジア地域事務所のデドミニーチス代表が、記者会見で明らかにしたものです。

それによりますと、ウクライナ国内では1年半にわたるロシアによる軍事侵攻によって多くの学校が被害を受けていて、完全に破壊された学校の数は全土で1300校以上にのぼるということです。

また新型コロナの影響も重なり、小学校や中学校などの生徒のうち、すべて対面で授業を受けられているのは全体の3分の1にとどまり、3分の1の生徒はオンラインだけで授業を受けているとしています。

ユニセフは、こうした状況を受けて、国内のおよそ半数の教師から生徒の学習能力の低下を指摘する声があがっているとしています。

さらに、ポーランドなど周辺の国に避難している子どもも多くいますが、その半数以上が、ことばの壁などの問題から避難先の学校に通っていないとみられるということです。

デドミニーチス代表は「ウクライナの将来を担う子どもたちへの戦争でもある」と述べ、危機感を示しました。