正岡子規の新たな句が見つかる 自身の食欲旺盛な様子詠む

明治時代を代表する俳人、正岡子規が亡くなる5年前の正月に、自身の食欲旺盛な様子を詠んだ句が新たに見つかりました。専門家は、病床に伏せながらも健康であることを周囲に誇示していたのではないかと指摘しています。

新たに見つかったのは、正岡子規の「吾健にして十のみかんをくひつくす」という俳句です。

果物好きで知られた子規が、結核で療養しながらも10個のみかんを食べたとして、自身の食欲旺盛な様子を即興で詠んだのではないかということです。

子規が終生を過ごした家にあった「歳旦帳」と呼ばれる正月の来客向けの芳名録のようなものに記され、亡くなる5年前の明治30年1月2日のものとみられます。

調査にあたった神奈川大学の復本一郎名誉教授は、東京の「子規庵保存会」に寄託された資料から、新たな句を発見したということで、復本名誉教授は「子規の食欲旺盛で果物好きな姿がうかがえる貴重な句だ。自身の健康を周囲に誇示していたのではないか」と話していました。

句とともに病床に伏せる自身を表す氷のうやみかんの絵も描かれ、筆跡などからいずれも子規の直筆とみられるということです。

新たな句が記された「歳旦帳」は、来月の土日や来月16日から24日の期間などに、東京 台東区の「子規庵」で公開されます。