“教室の断熱改修早急に” 環境問題取り組む団体が要望

危険な暑さから子どもたちを守るため、環境問題に取り組む団体が、全国の学校の教室で断熱改修を早急に進めるよう文部科学省に要望しました。

29日は、地球温暖化など環境問題に取り組む有志の団体が2万6000人余りの署名とともに、要望書を永岡文部科学大臣に提出しました。

団体は、断熱性が低いために冷房が十分に効かない教室があり危険な暑さから子どもたちを守るため、文部科学省に対し、全国の学校の教室で断熱改修を早急に進めるよう求めています。

団体とともに要望した専門家によりますと、さいたま市内のある小学校で冷房を使用した状態で室温の調査を行ったところ、断熱改修を行った教室は、改修していない教室と比べ室温が7度ほど低くなり、一定程度、暑さを防ぐ効果が確認できたということです。

また、断熱改修によって、冷房の使用を抑えることができるため、電気代の削減にもつながるとしています。

文部科学省によりますと、公立の小中学校などでは去年9月の時点で96%の教室で冷房設備が導入されているということですが、断熱対策がどれくらいとられているかは把握していないということです。

会見に参加した長野県の高校3年生の男子生徒は「断熱改修されていないと冷房をつけても汗が出てきて手持ちの扇風機を使わないと過ごせないほど暑いです。室温に左右されずに落ち着いた環境で学びたいです」と話していました。

要望した団体の梶本寛子さんは「子どもたちが1日の大部分を過ごす教室で夏でも涼しく過ごせるよう、国には、直ちに対策を行ってもらいたい」と話していました。