損保ジャパン ビッグモーター問題 親会社から判断妥当か指摘

損害保険ジャパンの社長が、不正の可能性を認識しながら去年7月の役員会議で、追加調査をせずにビッグモーターとの取り引きの再開を促していた問題で、会社が親会社のトップら経営陣に取り引き再開を決めた経緯を報告した際、判断が妥当だったのか指摘を受けていたことがわかりました。金融庁は、こうしたグループ内でのやりとりについても詳しく調べる方針です。

「損害保険ジャパン」の白川儀一社長は、ビッグモーターの保険金請求に不正の可能性があるという情報を得ていながら去年7月の役員会議で、追加調査は行わずにいったん中止した取り引きを再開してはどうかと促していました。

この結果、会社は追加調査は行わず、大手3社の中で唯一、ビッグモーターとの取り引きを再開しました。

こうした判断について、損害保険ジャパンの親会社として経営を監督する立場にあるSOMPOホールディングスがどのような考えを示していたのかが焦点の1つとなっていました。

複数の関係者によりますと、去年8月、経済誌に損害保険ジャパンの対応を問題視する記事が掲載されたことをきっかけに、会社は追加調査を行わないとしていた当初の方針を転換し、ビッグモーターに対して追加の調査を行うと伝えました。

その後、担当役員が、親会社のSOMPOホールディングスの経営陣に対して、ビッグモーターによる自主調査で組織的な不正の指示はなかったという結果が示されたことや、再発防止策を講じることなどを理由に取り引きの再開を決めたと説明し、追加調査を行うこともあわせて報告したということです。

この際、親会社のトップは、組織的な関与がないとまでは言い切れないのではないかなどと、取り引き再開の判断が妥当だったのか指摘したということです。

金融庁は、ビッグモーターへの対応をめぐるこうしたグループ内でのやりとりについても詳しく調べる方針です。