ことし上半期の子どもの出生数37万1000人余 去年同期比3.6%減

ことし1月から6月の上半期に生まれた子どもの数は、外国人を含めた速報値で37万1000人余りと、去年の同じ時期と比べると3.6%減少したことが厚生労働省が公表した人口動態統計でわかりました。
国が確認している2000年以降のデータでは最も少なく、少子化に歯止めがかからない厳しい現状が浮き彫りになる結果となりました。

厚生労働省が公表した人口動態統計の速報値によりますと、ことし1月から6月までの上半期に生まれた子どもの数は外国人を含めて37万1052人でした。

去年の同じ時期と比べると率にして3.6%、1万3890人の減少となりました。

2年連続で40万人を下回ったほか、国が確認している2000年以降のデータでは最も少なくなりました。

また、結婚の数も7.3%減って24万6332組となりました。

去年は1年間に生まれた日本人の子どもの数が77万747人と、国が1899年に統計を開始して以降で初めて80万人を下回りましたが、ことしも今のペースのまま推移すれば過去最少を更新するおそれがあります。

少子化対策に取り組むこども家庭庁は「厳しい現状が浮き彫りになった。未婚化や晩婚化などが影響していると考えられる。2030年代には20代や30代の人口が大きく減ることから今後、集中的に対策に取り組んでいきたい」としています。

専門家「経済や雇用の環境を立て直すこと求められる」

人口問題に詳しい日本総合研究所の藤波匠上席主任研究員は出生数の減少傾向について「結婚の件数と出生数は非常に相関が高く、2020年に結婚の件数が大幅に減った影響も続いていると考えられる。危機感を持つべきで、日本人だけの推計でいけば70万人台前半まで下がっていくおそれもある」と分析しています。

そのうえで「結婚の減少に加え、若い人たちの子どもを持つ事への意欲が低下していると見られる。経済環境や雇用環境、女性から見たジェンダーギャップなどか結婚や出産を遠ざけている状況があるとみられ、出生数を回復させるためには経済雇用環境を立て直していくことが求められる」と指摘しています。