台湾 台北市長が上海訪問「対話により海峡両岸の関係安定へ」

台湾海峡の緊張が高まる中、台北の蒋万安市長が「対話によって海峡両岸の関係を安定させる」として29日、上海への訪問を開始しました。

蒋市長の上海訪問は、29日から31日まで開かれる台北と上海の都市間交流フォーラムに出席することが主な目的とされています。

このフォーラムは2010年から2つの市で交互に開かれていますが、コロナ禍の影響があったため対面での開催は4年ぶりです。

蒋市長は29日朝、台北を出発する前に空港で報道陣に対し「糸口が見つからないような複雑な状況であっても、誠意のある対話によって海峡両岸の関係を安定させることができる。われわれは実際の行動で形勢を変化させる必要がある」と述べ、台湾海峡の緊張が高まる中、中国との交流の意義を強調しました。

蒋市長は、中国で共産党との内戦に敗れて台湾に逃れた国民党の蒋介石のひ孫に当たり、去年の市長選挙で初当選しました。

台湾の歴代総統には台北市長の経験者が多いこともあって、蒋市長は国民党内でホープと見なされていて、今回の上海訪問で中国側からどの程度の待遇を受けるか注目されます。