災害時の在宅避難で役立つ調理アイデア集 ホームページで公開

関東大震災から100年の節目で、首都直下地震など大規模災害への備えも進む中、レシピサイトの運営会社が、災害時の在宅避難の際に役立つ調理のアイデア集をホームページで公開しました。

首都直下地震での東京都の被害想定では、避難所などに避難する人の数は最大299万人で、そのほかの多くの人たちが在宅での避難を余儀なくされるおそれがあります。

水道、電気、ガスといったライフラインが止まる状況でも作れる料理を多くの人に知ってもらおうと、レシピサイトの運営会社「クックパッド」は、このほど、「災害時の在宅避難に役立つサバイバル調理アイデア集」として、250以上のレシピをホームページ上で公開しました。

この中では、備蓄の水やカセットコンロ、耐熱のポリエチレン袋などを駆使して、水やガスの使用を最小限に抑えながらも、おいしい食事を味わえる、▼湯せんで白米を炊く方法や、▼缶詰やジュースを使ったパスタなどが紹介されています。

複数のレシピを考案した、料理研究家で防災士でもある森下園子さんは、ポリエチレン袋の活用を呼びかけていて、メリットとして、一度に複数の料理を温められること、食器を使わずに済むこと、使った水を再利用できることを挙げています。

ホームページには、東日本大震災など、これまでの災害で在宅避難の経験がある1191人へのアンケートの結果も掲載されていて、課題に感じたことの回答では、「食・水の確保」がおよそ40%と、トイレや暑さ・寒さ対策などを上回って最も多く、「ストレスが大きい状況だからこそ、食が精神的な支えになる」といった意見もあったということです。

「クックパッド」コーポレートブランディング部の横尾祐介部長は、「食は毎日の生活の中でとても重要な要素です。被災したからといって、ふだんの生活を完全に捨てるのではなく、ページを参考にして、インフラがない中でも、少しでも心が安らぐようなおいしい食事を作ってほしいです」と話していました。