「金」の先物価格 最高値を更新 円安が進み国内価格押し上げ

大阪取引所で取り引きされている「金」の先物価格が最高値を更新しました。中国経済の先行きへの不透明感などで、比較的安全な資産として金を買う動きが広がる中、円安が進み、国内での価格が押し上げられた形です。

大阪取引所で取り引きの中心となる「来年6月もの」の金の先物価格は、28日午前に、一時、1グラムあたり9016円まで上昇し、取り引き時間中としての過去最高値を更新しました。

取り引き時間中の最高値を更新したのは、8月1日以来、およそ1か月ぶりです。

また、終値としても、1グラムあたり9010円で、過去最高値を更新しました。

アメリカの景気減速への懸念や、中国経済の先行きへの不透明感が強まっていることなどを背景に、投資家の間でリスクを避けようと、比較的安全な資産として金を買う動きが広がりました。

こうした中、外国為替市場で円安が進んだことで、国内での価格が押し上げられた形です。

市場関係者は「FRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長が25日に行った講演の内容から、アメリカの金融引き締めが長期化するという見方が広がったことで、金を買う動きが一段と強まった」と話しています。