メルセデス・ベンツCEO “日本市場で長期的にEV投入を”

海外の自動車メーカーが、日本での市場拡大を見込んでEV=電気自動車を相次いで投入しています。ドイツのメルセデス・ベンツのCEOがNHKのインタビューに応じ、日本市場で長期的にEVを投入する考えを明らかにしました。

ドイツの高級車メーカー、メルセデス・ベンツは先週25日、日本で7車種目のEVとなるSUV=多目的スポーツタイプ車を発表しました。

来日したオラ・ケレニウスCEOは、NHKのインタビューに応じ、「日本は会社にとって極めて重要な市場で、電動化への一歩を踏み出している」と述べ、日本市場で長期的にEVを投入する考えを明らかにしました。

そのうえで、日本ではEVの市場が海外と比べて拡大していないことを踏まえ「われわれは今2つのことを進めなくてはならない。魅力的なEVを投入すること、さらに充電インフラを増やすことだ」と述べ、自社が手がける急速充電設備について、日本でも来年中に展開する計画を明らかにしました。

日本自動車販売協会連合会によりますと、去年1年間に国内で販売された海外メーカーのEVは1万4000台余りに増え、軽自動車を除いたEVの販売全体に占める割合が45%に上るなど海外勢の拡大が目立っています。

アメリカのテスラのほか、中国のBYDなども相次いで日本にEVを投入していますが、ケレニウスCEOは「新たな競争に真剣に向き合うが、まずは自分たちの戦略に集中する」と述べました。

国内のEV販売の現状は

国内のEV=電気自動車の販売では、海外メーカーの輸入車が台数を伸ばしています。

日本自動車販売協会連合会によりますと、国内で去年1年間に販売された軽自動車を除くEVの台数は3万1592台でした。このうち、海外メーカーの輸入車のEVは1万4348台で、全体の45%を占めています。輸入車のEVは、年々増加傾向が続いていて、2018年と比べると20倍になっています。

メルセデス・ベンツなどヨーロッパ以外のメーカーでも、中国のBYDはことし1月からEVの販売を始めたほか、韓国のヒョンデ自動車もSUV=多目的スポーツ車のEVの販売を始めています。

日本の自動車メーカーが販売するEVは今のところ軽自動車が中心となるなど車種は限られていて、日本でのEVをめぐる競争は、海外メーカーが存在感を増す中で激しくなりそうです。