公明 山口代表 訪中を延期 中国側 “適切なタイミングでない”

公明党は28日から予定していた山口代表の中国訪問を延期すると発表しました。

中国側から、「日中関係の状況に鑑み適切なタイミングではない」と伝えられたとしていて、福島第一原発にたまる処理水の海への放出が影響したものとみられます。

公明党の山口代表は28日から3日間の日程で、4年ぶりに中国を訪問して、中国共産党の最高指導部のメンバーらと会談し、岸田総理大臣からの習近平国家主席宛ての親書を手渡したいとしていました。

これについて公明党は26日夕方、山口氏の中国訪問を延期すると発表しました。

中国側から、「当面の日中関係の状況に鑑み、適切なタイミングではない」と伝えられ、双方が相談して延期を決めたとしています。

一方で、中国側からは「公明党がながきにわたり交流を継続してきたことを重視しており、訪問に向けて前向きな努力を続けてきたことも高く評価している」という説明があったということで、今後、適切なタイミングを改めて調整するとしています。

中国は東京電力福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する措置が始まったことを受けて、日本産の水産物の輸入を全面的に停止するなど反発を強めていて、山口氏の訪問延期に影響したものとみられます。

公明 山口代表「処理水の放出が影響 否めず」

公明党の山口代表はNHKの取材に対し、「極めて残念だ。処理水の放出が影響を与えたことは否めず、放出直後の厳しい反応を見ると、なかなか冷静にやりとりをする環境ではないと思う」と述べました。

そして、「処理水をめぐる問題が日中関係全体に影響を及ぼすことは好ましくない。公明党の日中関係への関わりを中国側が高く評価した上での判断であり、双方が対話をしていくことが重要だという認識に変わりはない」と述べ、適切なタイミングで中国を訪問できるよう改めて調整する考えを強調しました。