処理水めぐる抗議 東京 江戸川区の公共施設に国際電話相次ぐ

東京 江戸川区の公共施設に24日から複数の言語でののしるようなことばや、福島第一原子力発電所にたまる処理水をめぐる対応に抗議するような内容など、業務と直接関係のない国際電話の着信が相次ぎ、区は警察に報告するとともに施設の利用者に別の番号を周知するなどして対応しています。

江戸川区によりますと、24日午後1時すぎから26日にかけて、ホールや会議室などを備える「総合文化センター」の代表電話に「86」で始まる番号からの国際電話の着信が相次ぎました。

主に日本語や中国語、英語など複数の言語で、多くは録音されたとみられる音声です。

ののしるようなことばのほか、「なんで放出するんだ」など福島第一原子力発電所にたまる処理水をめぐる対応に抗議するような内容だったということです。

「86」は中国の国番号ですが、区は「中国から発信された電話か確認できていない」としています。

区は警察に報告するとともに、状況の改善に向けてNTTに相談しているということです。

また、施設は代表電話にかかってきたものは留守番電話の対応とし、利用者に対してはホームページ上などで別の番号を案内しています。

江戸川区文化共育部の白木雅博文化課長は「電話がつながりにくくなり利用者の皆さんには申し訳ありません。なぜ施設にこうした電話がかかってくるのか分かりませんが、関係者と相談しながら早急に改善できるよう取り組んでまいります」と話しています。

施設の業務に支障

「江戸川区総合文化センター」はコンサートや演劇などに使うホールをはじめ、さまざまな活動に利用できる研修室や会議室を備えた施設です。

24日から相次ぐ国際電話の着信で、施設の事務室では業務に支障が出ているため、現在は代表電話を留守番電話の設定にし、着信音が鳴らないようにしています。

ただ、26日も国際電話がひっきりなしにかかってきていて、笑い声のあと一方的に切るものや、「なんで放出するんだ」といった福島第一原子力発電所にたまる処理水をめぐる対応に抗議するような内容などが確認できました。

200件の着信履歴は中国の国番号「86」から始まる、いずれも違う番号でいっぱいになっていました。

施設は25日、「86」から始まる番号からの着信を拒否しようと設定を試みましたが、次から次に着信があって作業が進まず諦めたということです。

「江戸川区総合文化センター」の佐藤奈々副館長は「なぜこの施設にかかってくるのか分からず、ただただ驚いていて、不快感もあります。着信が鳴りやむ状況にないのでいつまで続くのか心配です」と話していました。