若い世代に性感染症拡大“正しい知識届けることが必要”専門家

思春期の若者の心や体の問題に取り組む医師や教員などの学会が都内で開かれ、専門家が講演で、若い世代で性感染症が広がっているとして若者に性感染症の正しい知識を届けることが必要だと訴えました。

26日から東京都内で始まった日本思春期学会では、大会長を務める日本大学医学部産婦人科学分野の川名敬主任教授が性感染症について講演しました。

講演では、性感染症の1つ「クラミジア」が女性では20代で特に増加していて、男性では20代に加えて10代でも増加傾向にあるなど、ここ数年、若い世代で性感染症が広がっている現状が示されました。

そして、川名主任教授がNHKと共同で行った意識調査の結果を紹介し、性感染症についての知識を義務教育の授業で学ぶのがよいと答えた人がおよそ7割に上った一方で、これまでに性感染症になった場合の具体的な対処法を学んだことがあると答えた人はおよそ2割にとどまっていたとして、若い世代が正しい知識を身につけることができるように道筋を作っていく必要があると指摘しました。

講演のあとNHKの取材に答えた川名主任教授は「思春期の子どもたちの健康を守るため、学校現場で健康教育の時間を確保してほしい」と話していました。