東大 ワクチン特化の研究施設 来年度の稼働目指す

将来、新たな感染症が広がった際に迅速なワクチン開発につなげようと、東京大学は、基礎研究から臨床試験に使うためのワクチンの製造まで対応できる、ワクチンに特化した研究施設の整備を進めていて、来年度の稼働を目指しています。

この施設は、東京大学が新たな感染症によるパンデミックに備えて、千葉県柏市のキャンパスに建設を進めているもので、大学の新世代感染症センターがワクチンの研究、開発を行います。

センターの機構長を務める東京大学医科学研究所の河岡義裕特任教授によりますと施設には、ヒトに投与するのに必要な品質基準を満たしたワクチンの製造設備を導入する方針だということです。

新しいワクチンの臨床試験は少人数で始める必要がありますが、国内では、小規模な試験用のワクチンを製剤化する施設が不足しているということで、新しい施設では、こうした臨床試験にも対応できる体制を整えるということです。

新しい施設は、学内の研究者だけでなく民間の製薬企業なども利用できるようにする方針で、来年度の稼働を目指すということです。

河岡機構長は「将来のパンデミックに向けて、この施設ができることで、できるだけ早くワクチンを臨床現場に届けることが可能になると考えている」と話しています。