インド モディ首相と中国 習主席 “係争地の問題解決目指す”

インドのモディ首相と中国の習近平国家主席が、BRICSの首脳会議が開催されていた南アフリカで意見を交わし、国境が定まっておらず断続的な軍の衝突が続いている両国の係争地について問題の解決を目指すことで一致しました。

インドと中国は国境が定まっていない係争地を抱えていて、大規模な軍事衝突を防ぐための暫定的な国境として「実効支配線」を協定で定めています。

しかし断続的な衝突が続き、2020年6月に双方に死傷者が出て以来、インドのモディ首相と中国の習近平国家主席の間で個別の正式な会談は行われていません。

こうした中、インド外務省によりますと、南アフリカで開催されていたBRICSの首脳会議の会場でモディ首相は24日、中国の習近平国家主席と係争地をめぐって意見を交わしたということです。

この中で、モディ首相は「国境地域での平和と平穏が両国関係の正常化に必要だ」と伝えたということです。

また、中国外務省によりますと、習主席は「双方は国境問題を適切に処理し、国境地域の平和と平穏をともに守らなければならない」と述べ、問題の解決を目指すことで一致した形です。

これまで国境をめぐる双方の主張は平行線をたどっていて、モディ首相としては、来月インドで開かれるG20=主要20か国の首脳会議を前に関係改善を図りたいねらいがあるものとみられます。