中国 海水から作る食塩が品薄 処理水放出で買い求める人相次ぐ

東京電力が福島第一原子力発電所にたまる処理水を薄めたうえで放出を始めたことを受けて、中国では、食品の安全性への不安から、食塩を買い求める人が相次ぎ、品薄になる店も出ています。

福島第一原発にたまる処理水の海洋放出を受けて、中国政府は24日から日本を原産地とする水産物の輸入を全面的に停止するなど、強く反発していて、中国メディアも大きく取り上げています。

こうした中、海水から作られる食塩への不安などから、食塩を買い求める人が相次ぎ、このうち、首都 北京にあるスーパーでは25日、食塩が陳列されていた棚が空になっていました。

中国メディアは国内各地のスーパーで食塩が品薄となっていると伝えていて、中国政府は値上がりをねらった買い占め行為などを厳重に調べると発表しました。

また食塩のメーカーが、「海水から作られている食塩は全体の10%だ」などと発表したほか、北京市政府は「食塩の備蓄は十分だ」と呼びかけるなど、鎮静化をはかっています。

食塩を購入したという60代の男性は「なんとか2袋を買えました」と話していました。

また、30代の男性は処理水の放出について、「もちろん強く反対です。日本はちゃんと処理していると言っていますが、多くの放射性物質を含んでいるはずです」と話していました。