猛暑で生クリーム固まらず 菓子店ケーキ作れず 秋田

連日の猛暑で、秋田市の菓子店では生クリームが固まらず形が崩れてしまうためほとんどのケーキをつくれない異例の事態になっています。
各地で暑さによる影響が出ています。

秋田市の老舗菓子店「菓子舗 榮太楼」では、連日の猛暑の影響で、生クリームが固まらず、主力商品の一つであるケーキをほとんどつくれなくなっています。

店舗では通常、10種類ほどのケーキを販売していますが、かわりにあんみつやゼリーなどが陳列されていました。

菓子店によりますと、生クリームは周辺の温度が25度くらいになると固まらないということで工場から店舗への運送や、購入した客が家に着くまでの間に形が崩れてしまうため今月10日から使用を断念したということです。

現在の工場が稼働して40年以上たちますが初めてだということです。

秋田市内の工場では、従業員が小型の送風機や保冷剤を使い、熱中症対策をしながら作業をしていました。

この菓子店では、先月の記録的な大雨で市内の1店舗が床上まで水につかったほか、猛暑の影響で店舗への客足も鈍っているということです。

小国輝也社長は「大雨と猛暑のダブルパンチです。来年以降も暑くなる可能性があるので工場を改修するなどの対策も検討しなければ」と話していました。

海水温度上昇 ホタテの稚貝の分散作業中止

連日の厳しい暑さの影響で、北海道網走市では海水の温度が上がり、特産のホタテの稚貝の成長を促すためかごの中の密度を減らす「分散作業」が中止となりました。

網走市では毎年この時期に、ホタテの稚貝の成長を促すため、稚貝の入ったかごをいったん引き上げて、かごの中の不要物を取り除き密度を減らす「分散作業」が行われています。

網走漁協によりますと、ホタテの稚貝は20度以下の水温を好むため、作業は深夜に行われますが、連日の暑さの影響で海水の温度が20度を超えていることから、11軒の漁業者のうち4軒が24日夜からの作業を中止しています。

網走市では、去年の8月は30度以上の真夏日が1日しかありませんでしたが、今月はすでに7日も観測していて、漁協によりますと暑さの影響で作業を中止するのは初めてだということです。

作業を中止した漁業者の村田哲雄さんは「このまま海水の温度が高い状態が続くと、貝の成長に影響が出ないか心配しています」と話していました。

線路ゆがむおそれ 列車に運休や遅れも 北海道

暑さの影響で北海道では、線路がゆがむおそれがあることから、JRの一部の列車に運休や遅れが出ています。

JR北海道によりますと、函館線と、石勝線・根室線の一部区間で、線路の温度が上昇し、線路がゆがむおそれがあることから、一部の列車に運休や遅れが出ています。

25日午後2時半の時点で特急列車で運休したのは、▼札幌と釧路を結ぶ特急「おおぞら」2本と▼札幌と帯広を結ぶ特急「とかち」2本です。

また、▼函館線の長万部と倶知安を結ぶ普通列車と、▼根室線の新得と帯広や釧路を結ぶ普通列車、あわせて6本が運休や部分運休しました。

このほか、一部の列車に遅れが出ていて、今後、列車が運休するおそれもあるため、JRではホームページなどで最新の運行情報を確認するよう呼びかけています。