北方領土元島民の墓参 ロシアに再開求める 松野官房長官

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で実施が見送られている北方領土の元島民らによる墓参について、松野官房長官は、ロシア側から再開に向けた肯定的な反応は得られていないとしたうえで、重点的に事業の再開を求めていく考えを示しました。

北方領土の元島民らが先祖の墓を訪れる「北方墓参」などの交流事業は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で実施が見送られて再開の見通しが立っておらず、船の上で供養する「洋上慰霊」が来週28日から行われる予定です。

これに関連し、松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「北方墓参をはじめとした事業については大使館などを通じて外交上のやりとりを行っているが、現時点でロシア側から北方墓参の再開に向けた肯定的な反応は得られていない」と説明しました。

そのうえで「ご高齢となられた元島民の方々の思いに何とか応えたいとの考えに変わりはない。北方墓参をはじめとする四島交流事業の再開は日ロ関係の中でも最優先事項の1つで、引き続きロシア側に対し、特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を求めていく」と述べました。