辺野古移設工事の裁判 “正式な判決待ち対応” 沖縄 玉城知事

沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設先となっている名護市辺野古での軟弱地盤の改良工事をめぐり、沖縄県と国が争った裁判で県の敗訴が確定する見通しとなったことについて、玉城知事は「県の主張を申し述べる機会が設けられなかったのは大変残念だ」と述べたうえで、正式な判決を待って今後の対応を決める考えを示しました。

アメリカ軍普天間基地の移設先となっている名護市辺野古での軟弱地盤の改良工事をめぐり、工事を承認しない県に対して国が行った「是正の指示」が違法かどうかが争われた裁判で、最高裁判所は24日、9月に判決を言い渡すことを決めました。

高等裁判所の判断を変更するために必要な弁論を開かないため県の敗訴が確定する見通しで、確定すれば、移設に反対してきた県は国の指示に従い工事を承認する義務を負うことになります。

こうした中、沖縄県の玉城知事は25日の定例の記者会見で「県の主張を申し述べる機会が設けられなかったのは大変、残念だ。公平公正な立場にある最高裁判所に対しては、国の『是正の指示』が違法、無効であるという主張を、直接、理解してもらう機会を求めていたが、弁論が行われないのであれば、国民の意見、声を十分に受け取ったものであるかどうかについては、疑義を持たざるをえない」と述べました。

そのうえで、今後の対応について「判決が示されるまでは、内容について申し上げることは控えたい」と述べ、正式な判決を待って決める考えを示しました。

また、「対話によって解決策を求めるという、われわれの民主主義を基本とする姿勢はこれからも強く求めていきたい」と述べ、移設反対の方針を維持する姿勢を強調しました。

浜田防衛相「丁寧に説明し着実に進める」

浜田防衛大臣は閣議の後の記者会見で「沖縄県知事と国土交通大臣との間の訴訟なので、防衛省として答える立場にはない。引き続き、地元の皆様に丁寧な説明を行いながら、普天間基地の一日も早い全面返還を実現するため、辺野古への移設工事を着実に進めていく」と述べました。

また、県側と協議する考えがあるか問われたのに対し「われわれの姿勢は話し合いで説明していくというもので、あらゆる可能性がある。今後もそういう姿勢をしっかり持ちながら対応していきたい」と述べました。

松野官房長官「一日も早い全面返還に全力尽くす」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「沖縄県知事の訴えが不適法だとする司法判断が確定したと認識している。政府としては引き続き普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現するため全力を尽くす考えだ」と述べました。