「闇バイト」など治安課題へ対策強化 警察白書

ことしの警察白書がまとまり、SNSで特殊詐欺や強盗の実行役を募集する「闇バイト」など、多様化する治安課題に対して、対策を強化していくことを強調しています。

25日公表されたことしの警察白書では、去年1年間の刑法犯罪が60万1331件と、ピーク時に比べ大幅に減少したものの、平成15年以降、初めて増加に転じたことに触れています。

また、内閣府の治安に関する世論調査に対し、「ここ10年で日本の治安は悪くなった」と回答した人は54.5%に上るとしたうえで、安倍元総理大臣が銃撃された事件や被害が深刻化しているサイバー犯罪、それに特殊詐欺など、「治安課題は多様化している」と指摘しています。

さらに「闇バイト」で実行役を募って住宅に押し入る強盗事件が連続して発生していることを踏まえ、SNSなど緩やかな結びつきで離合集散を繰り返す集団を「匿名・流動型犯罪グループ」と位置づけ、対策を強化していくことを強調しています。

警察庁は、今後は警察でもマンパワーの維持・向上が大きな課題になるため、警察運営の合理化や効率化を図ることが重要だとしたうえで、「社会情勢の構造的な変容を注視し、多彩な人材の確保と活用に取り組んでいく」としています。