河井元法相 買収事件 “担当検事が不適切発言” 録音メモ公表

4年前の参議院選挙をめぐる大規模買収事件で、河井克行元法務大臣から現金を受け取った罪に問われている元広島市議会議員の弁護士が、録音データの一部を書き起こしたとするメモを公表し、捜査段階の取り調べだけでなく、河井元大臣の裁判に証人として出廷する前にも、担当検事が不適切な発言をしていたと批判しました。

4年前の参議院選挙をめぐる買収事件で、当時現職だった元広島市議会議員は、河井克行元法務大臣から現金30万円を受け取ったとして、公職選挙法違反の罪で略式命令を受けましたが、それを不服として正式な裁判を求め、広島地方裁判所で審理が進められています。

元市議は、任意の取り調べを担当した東京地検特捜部の検事とのやりとりだけでなく、河井元大臣の裁判に証人として出廷する前の、別の検事とのやりとりも録音していて、弁護士はそのデータをもとに、検察側が不適切な方法で河井元大臣の有罪を立証するための供述や証言をえていたと批判しています。

これについて弁護士は、24日に記者会見を開き、録音データの一部を書き起こしたとするメモを新たに公表しました。

それによりますと、元市議が河井元大臣の裁判に証人として出廷する前に、尋問で想定されるやり取りを確認した際、裁判を担当した特捜部の別の検事が「4月を隠すためです、っていうのが、NGワード」とか「ちょっと言いだしづらかったは、別に使ってもかまわない」などと、元市議の話す内容に細かく注文をつけていました。

また、取り調べ担当の検事から不起訴を示唆されてはいないと証言するよう促す発言も記録されていたということです。

元市議の弁護を担当する田上剛弁護士は会見で、「検察が公益の代表者としての役割や使命を自覚しているか疑問だ。真実の解明ができなくなるやり方だ」と改めて批判しました。