陸上世界選手権 女子5000メートル 田中希実が日本新で決勝進出

ハンガリーで開かれている陸上の世界選手権、女子5000メートル予選で23歳の田中希実選手が、これまでの日本記録を14秒以上更新する14分37秒98の日本新記録をマークして、決勝進出を果たしました。

ハンガリーのブダペストで開かれている陸上の世界選手権は23日、暑さの影響で日程が変更された女子5000メートルの予選が行われ、田中選手と、この種目の日本記録保持者の廣中璃梨佳選手、それに山本有真選手の日本勢3人が出場しました。

予選2組に出場した田中選手はハイペースとなったレースの中で、序盤から先頭集団でレースを進めました。

一時、2番手につけた田中選手はラスト1周で海外勢がスパートをかけても上位にくらいつき最後まで粘りの走りを見せてこの組の6着でフィニッシュしました。

タイムは14分37秒98で、廣中選手の日本記録を14秒以上更新する日本新記録をマークして、決勝進出を果たしました。

レースのあと田中選手は「日本記録は狙っていたが14分30秒台のタイムは予測していなかったのでうれしい。世界の背中を見ながら最後まで走ることができた」と話していました。

一方、予選1組に出場した廣中選手は12着、山本選手は20着となり、いずれも決勝進出はなりませんでした。

田中希実選手とは

田中希実選手は兵庫県出身の23歳です。

駅伝の強豪、兵庫の西脇工業高校では全国高校駅伝や全国女子駅伝で活躍しました。

東京オリンピックでは女子1500メートルの準決勝で3分59秒19の日本新記録をマークして、決勝では日本選手で初めて8位に入賞する快挙を果たしました。

一方で5000メートルでは予選敗退に終わったものの、今シーズン、海外の大会で日本歴代3位となる14分53秒60の自己ベストをマークしていました。

大学を卒業後、実業団のチームに所属していましたが、ことし4月にプロに転向し大手スポーツ用品メーカーのサポートを受ける新たな環境で活動しています。