令和6年度の概算要求 3年連続110兆円超へ 防衛費の増加などで

今月末に締め切られる来年度=令和6年度の国の概算要求は、防衛力強化に伴う防衛費の増加や、このところの長期金利の上昇で国債の利払い費が増えることなどを反映し、各省庁からの要求総額は、一般会計で、3年連続で110兆円を超える見通しです。

国の来年度予算案の編成に向けて、各省庁が財務省に提出する概算要求は今月末に締め切られます。

このうち
▽防衛費は、防衛力の抜本的な強化に向けて今年度予算の6兆7880億円から大幅な増加が見込まれています。

また
▽国債の償還や利払いに必要な「国債費」について財務省は、今年度の予算を2兆8900億円上回る28兆1400億円を要望します。

日銀が金利操作のより柔軟な運用を決めて以降、長期金利が上昇していることを反映して、想定される金利を1.1%から1.5%に引き上げるなどしたため利払い費の増加が見込まれています。

さらに、厚生労働省は高齢化に伴う社会保障費の増加を踏まえ、今年度の予算より5900億円多い、およそ33兆7300億円を要求する方針です。

この結果、各省庁の要求総額は一般会計で、3年連続で110兆円を超える見通しです。

今回の概算要求では、少子化や物価高騰といった重要政策について具体的な金額を示さずに要求することを認めていることから、要求額は実質的には、さらに上積みされる見込みです。