将棋 藤井聡太七冠「王位戦」4連覇 次戦 王座戦で八冠挑戦へ

将棋の八大タイトルの1つ、「王位戦」七番勝負の第5局が徳島市で行われ、タイトルを持つ藤井聡太七冠(21)が挑戦者の佐々木大地七段(28)に勝って4勝1敗とし、「王位戦」4連覇で、今年度3つ目のタイトル防衛に成功しました。

藤井七冠は今月31日から「王座戦」五番勝負に臨み、史上初の「八冠」独占を目指します。

「王位戦」七番勝負はここまで藤井七冠が3勝1敗とし、タイトル防衛まであと1勝に迫っていました。

第5局は22日徳島市で始まり、2日目の23日は、後手の佐々木七段が22日の対局終了時に次の1手を書いた「封じ手」から再開しました。

互いに1時間を超える長考を挟みながら、攻撃の機会をうかがう展開となりますが、藤井七冠が「角」を打って攻勢をかけると、佐々木七段も「角」や「飛車」などの大駒を使って敵陣に攻め込みます。

両者とも持ち時間が少なくなった最終盤、藤井七冠は慎重な指し回しで攻撃を受けつつ相手玉をじわじわと追い詰め、午後6時39分、佐々木七段が95手までで投了しました。

この結果、藤井七冠が4勝1敗で七番勝負を制し、「王位戦」4連覇を果たしました。

また、保持する7つのタイトルのうち、「叡王」、「棋聖」に続く今年度3つ目のタイトル防衛に成功しました。

一方、佐々木七段は「棋聖戦」「王位戦」の2つのタイトル戦で藤井七冠に挑みましたが、初めてのタイトル獲得はなりませんでした。

藤井七冠は今月31日から「王座戦」五番勝負に臨み、史上初の「八冠」独占を目指して永瀬拓矢王座(30)に挑戦します。

藤井七冠「かなり難しい将棋だった」

王位戦4連覇を果たした藤井聡太七冠は今回の対局について、「かなり難しい将棋だったと思うが、序盤から中盤にかけて失敗してしまったかなという気がするので、しっかり振り返られればと思っています」と話した上で、「序盤からじっくり考える将棋が多く、自分に足りないところが明確になったところがあったと思います。そういう将棋を経験できたことは勉強になったと思います」とタイトル戦全体を振り返りました。

対局後の記者会見では、「佐々木七段の力を感じる場面が多く、大変なシリーズでした。なんとか防衛することができたのは素直にうれしく思いますし、勉強になることも多かったので、今後の対局に生かしていきたいと思います」と話し、喜びをあらわにしていました。

そのうえで、8月31日から始まる王座戦五番勝負で永瀬拓矢王座に挑むにあたり、「大変厳しいシリーズになると思うので、これからしっかり集中して準備して、序盤の作戦面で遅れをとらないようにしたいです。挑戦者としての戦いになるので、ぶつかっていくつもりでいきたいと思います」と意気込みを語っていました。

佐々木七段「自分の力不足を感じた」

一方、初タイトル獲得を逃した佐々木大地七段は「これまで指したことのない長い持ち時間で、序盤から綿密な長考もできましたし、非常に勉強になる将棋も多かったのですが、その中で自分の力不足を感じることもあったので、さらに精進して、いい内容の将棋を指していけるようにしたいと思います」と話していました。