「H3」打ち上げ失敗 “機器の一部に損傷発生” JAXA

ことし3月、打ち上げに失敗した新たな主力ロケット「H3」の初号機について、JAXA=宇宙航空研究開発機構は、2段目のエンジンに搭載された機器の一部で損傷が発生したことが打ち上げ失敗の原因だと結論づけました。そのうえで、機器の設計を一部変更するなど対策をしたうえで、できるだけ早く次の「2号機」の打ち上げに挑む考えを示しました。

日本の新たな主力ロケット「H3」の初号機はことし3月、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられましたが、2段目のエンジンが着火せず、打ち上げに失敗しました。

JAXAはこれまで、飛行データを分析し、同じ現象を再現する試験などを通して原因究明を進めてきましたが、23日、文部科学省の会議で、2段目のエンジンに搭載された機器の一部に損傷が発生したことが原因だったと結論づけました。

そのうえで、損傷の要因を、部品に過度の電圧がかかりショートした可能性など大きく3つに絞りこみ、このうち「H2A」ロケットと共通する部品が関係するケースが2つ、「H3」だけに搭載された機器が関係するケースが1つだと説明しました。

このうえで、次の「H3」2号機の打ち上げに向けて、検査の強化や、機器の設計を一部変更するなどの対策を行うことで懸念を排除できるとし、できるだけ早く、「2号機」の打ち上げを行いたいという考えを示しました。