慶応高校の地元は歓喜 敗れた仙台では選手たたえる

慶応高校の地元、横浜市港北区にある日吉商店街では、地元の人たちが決勝戦に臨む選手たちなどに力強い声援を送りました。

日吉商店街の電器店にはおよそ15人が集まりました。

1回表、慶応高校の丸田湊斗選手の先頭打者ホームランで先制した場面など、得点が入るたびに「おおー!」と歓声があがっていました。

手作りのうちわをたたきながら応援を続け、107年ぶりの優勝が決まると、集まった人たちは立ち上がって拍手をしながら選手たちの健闘をたたえ、慶応高校の校歌を一緒に歌っていました。

日吉中央通り商店街の斉藤登会長は「107年ぶりの優勝ということで、誰も記憶にないほど前の話ですが、2回目の優勝を生で見られて幸せです。最後まで日吉を楽しませてくれて『ありがとう』と生徒たちには伝えたいです」と話していました。

地元の90代の女性は「生きているうちに優勝を見ることができて幸せです」と話していました。

商店街では慶応の選手たちを招いた優勝記念のパレードを検討するということです。

港北区役所ではパブリック・ビューイング

横浜市の港北区役所ではパブリック・ビューイングが行われ、市民などおよそ80人が躍動する選手たちに声援を送りました。

午後2時に試合が始まると、集まった人たちは旗を振ったり、現地のアルプス席の応援に合わせて手拍子をしたりしながら応援していました。

ヒットやホームランなどで慶応高校が得点を重ねるたびに会場からは歓声が上がり、中には慶応スポーツ伝統の応援歌「若き血」を歌う人もいました。

そして、8対2で107年ぶりの優勝が決まると大きな拍手が沸き起こり、集まった人たちはハイタッチをして喜びをかみしめていました。

29歳の会社員の男性は「みんなで一緒に応援したいと思ってここに来ました。慶応がチームとしてひとつになったことが勝因だと思います。やっぱり高校野球はいいなと感じました」と話していました。

横浜市出身の大学生の男性は「5回に一気に5点追加する勢いに興奮しました。地元の学校が優勝してとても嬉しいです。選手たちには本当にありがとうと伝えたいです」と話していました。

高校の近くの飲食店 学生やOBらが声援

慶応高校の近くの飲食店では、慶応大学の学生やOBらが集まり、声援を送りました。

飲食店では午後2時から決勝が始まるのにあわせて、慶応大学の学生やOBら180人ほどが集まりました。

試合前、2年生の男子学生は「後輩たちが頑張っているので応援をしようと思ってきました。頑張って欲しいです」と話していました。

また、数十年前に慶応大学を卒業したという男性は「ついにここまできてくれたという思いです。慶応らしい強い打線で優勝して欲しいです」と話していました。

試合が始まって慶応が得点をあげるたびに大きな拍手や歓声があがり、会場は盛り上がりを見せていました。

大学OBの40代の男性は「久しぶりにこんなに感動しました。夢と希望をもらうことができて選手たちには『ありがとう』と伝えたいです」と話していました。

2年生の男子学生は「最高です。うれしさと驚きが混じっていて信じられない気持ちです」と話していました。

日吉駅では号外が配られる

日吉駅では107年ぶりの優勝を伝える新聞の号外が配られました。

配布前から多くの人が長い列を作り、午後6時前に号外が配られると、次々と受け取って記事をじっくりと見ていました。

このうち、小学生の娘2人とスマホで決勝を観戦していたという母親は「1世紀ぶりの優勝というのはとても重みがあります。子どもたちも『優勝してうれしい』と言っていました」と話していました。

慶応大学OBの60代の男性は「107年の間、優勝できませんでしたが、今の生徒たちがやり遂げてくれて涙が出ました」と話していました。

駅の改札付近にある電光掲示板には、優勝を祝うメッセージも表示されました。

仙台育英高校 校舎で決勝戦を応援

仙台市宮城野区にある仙台育英高校の宮城野校舎では、大型テレビが設置された食堂に生徒や教職員などおよそ80人が集まって決勝戦を見守りました。

食堂には、選手や須江監督の似顔絵とともに「パワー!!西はこっち」というメッセージが描かれたポスターが飾られ、テレビに選手たちの姿が映し出されると、一斉に西の方向に向かって両手をかざす姿が見られました。

また、集まった人たちは仙台育英の攻撃中、そろいのうちわをたたいて応援し試合を見守っていました。

試合が終了すると、最後まで戦い抜いた選手たちに大きな拍手を送っていました。

涙を流していた2年生の女子生徒は「選手たちはよく頑張ったと思います。県大会からたくさん試合をしてきたので、まずはゆっくり休んで欲しいです」と話していました。

また、1年生の男子生徒は「選手たちは最後まであきらめずやり遂げてくれたと思います。準優勝で悔しいと思いますが、来年に向けて頑張ってほしいです」と話していました。

デパートの前でも仙台育英高校を応援

仙台市中心部のデパート「藤崎」の前には、23日の決勝戦にあわせて応援メッセージが書かれたパネルとともに大型テレビが設置され、100人近い人が決勝戦を見守りました。

試合は5回表、慶応が5点を追加し、8対2と仙台育英を突き放すと、集まった人から大きなため息が聞かれ、中には両手で顔を覆う人もいました。

会場では試合が終わるまで仙台育英の選手たちに大きな声援を送り続け、試合が終わると、温かい拍手が上がっていました。

試合のあと、デパートでは「祝 準優勝 ありがとう」と書かれた看板が設置され、通りかかった人が写真におさめていました。

仙台市の20代の女性は「とても悔しかったですが、頑張ってくれてとても感動しました。仙台には胸を張って帰ってきてほしい」と話していました。

また、仙台育英のファンで名古屋から訪れたという18歳の男子高校生は「最後まで諦めないプレーに感動しました」と興奮気味に話していました。