スポーツ

慶応 快進撃支えた“野球を楽しむ心” 107年ぶり優勝【解説】

「エンジョイ・ベースボール」

夏の全国高校野球で107年ぶりの日本一に輝いた神奈川の慶応高校。歴史をつなぐ快進撃を支えたのは代々受け継がれる心の底から野球を楽しむチームのモットーでした。
(甲子園取材班 記者 山内 司)

昭和初期から受け継がれる“野球を楽しむ”

慶応がチームとして掲げる「エンジョイ・ベースボール」

先発した慶応 鈴木佳門投手

これは昭和初期に慶応大学野球部の監督を務めた腰本寿(こしもと・ひさし)さんが、当時の日本の野球が辛いことに耐えて勝利を勝ち取るという修行のようなものになっていたとして、スポーツ本来の明るい発想が必要だと打ち出した考え方で、慶応高校の野球部にも受け継がれています。

“スーパーブレイントレーニング”

これに加えて、チームが2年前から取り入れている“スーパーブレイントレーニング”と呼ばれるメンタル面でのトレーニングも野球を楽しむ精神につながっています。

このトレーニングは苦しい場面でも平常心を保って打開策を見いだす心の持ちようを脳から鍛えるためのものだといいます。

例えば、試合前の円陣などでベストなプレーと最悪な事態をそれぞれイメージしておくことでどんな展開になったとしても「すべて想定内」と割り切ることができ、慌てることなく平常心でいつも通りのプレーができるということです。

決勝の試合前も選手たちは優勝してマウンドでみんなで集まり、校歌を歌ってからアルプスにあいさつに行く姿を頭の中で鮮明にイメージし、必ず現実になると強く信じて試合に臨んだといいます。

“ナンバーワンポーズ”で前向きに

さらにことしのチームは、うれしいときや前向きな心境の時に片手の指3本を立てる「ナンバーワンポーズ」を新チーム結成当初から続けてきました。

“ナンバーワンポーズ” 慶応 大村昊澄主将

このポーズを繰り返すことでポジティブな感情を思い出し、ピンチの場面でも脳から前向きな精神状態を作り出すことができるといいます。

決勝でもヒットを打って出塁した時や、9回のピンチで守備のタイムを取って、内野陣が集まった時にこのポーズをとって気持ちを高め合っていました。

慶応 丸田湊斗選手

丸田湊斗 選手
「野球を最後の最後まで楽しみ尽くすことがエンジョイベースボールだと思います。甲子園では野球を最後まで楽しみ尽くせたと思います」

大村昊澄 主将
「野球は楽しいという本質を表現出来たと思います。心の底から野球は楽しいんだという原動力から出たプレーや行動が最後一番強いと証明したかったので、厳しいときでも笑顔を絶やさず楽しんでと声を掛け合って日本一まで登り詰めたので、常識を変えられたと思います」

慶応 森林貴彦 監督

森林貴彦監督は「選手たちの頑張りがすごくて、すばらしい成長ぶりでした」と話したうえで、チームで掲げていた「エンジョイベースボール」については…。

森林貴彦 監督
「子どものころ感じた野球が楽しいという野球の喜びをもう1回感じながら、表現できるよう、いい顔で野球をやろうとしてきました。そのほうがいいパフォーマンスができると思っていたので、結果につながって、世の中にメッセージを発信できるんじゃないかなと思います」

心から楽しむ野球でつかんだ、およそ1世紀ぶりの日本一。

高校野球に新しい風を吹き込みました。

最新の主要ニュース7本

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

特集

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

スペシャルコンテンツ

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

ソーシャルランキング

一覧

この2時間のツイートが多い記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

アクセスランキング

一覧

この24時間に多く読まれている記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。