処理水放出のあと 11地点で海水を採取 濃度を分析へ 環境省

福島第一原子力発電所にたまる処理水を薄めて放出が始まったあと、環境省は福島県沖の合わせて11地点で早くて数時間後から海水の採取を始め、海中のトリチウムなどの濃度について分析することにしています。

環境省は処理水の放出による風評被害を生じさせないため、海中のモニタリングを強化するとしていて、海中のトリチウムなどの濃度について放出開始後、当面は週1回の頻度で分析を実施し、初回は放出から数時間後に船で海水の採取を始め、分析結果を数日後に公表するとしています。

海水を採取する地点は、放水口から遠いところでおよそ40キロメートル離れた地点など合わせて11か所で、海水を採取したあとは千葉県の民間の研究所に運び、分析するということです。

環境省はこれまでもトリチウムなどの濃度について年に4回のモニタリングを行ってきましたが、放出開始後は1週間に1回と頻度を増やし、2回目の採取からはおおむね1週間後に分析結果を公表するとしています。

結果は環境省のウェブサイトで公開され、開始から3か月を目安に頻度などを見直すことにしています。

西村環境大臣は「放出後速やかに、周辺海域での放射性物質の濃度について速報性を優先した分析を行い、結果を公表していく。モニタリングの測定頻度を増やすなど強化、拡充していく」と話していました。