東京電力 処理水放出に伴う風評被害 10月から賠償の受け付けへ

東京電力福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する計画をめぐり、政府が24日にも放出を始めると決めたことを受けて、東京電力は22日に記者会見を開きました。この中で会社側は、22日から放出に向けた準備作業を始めるとともに、ことし10月から、風評被害が発生した場合の賠償の受け付けを始めることを明らかにしました。

政府が処理水の放出計画をめぐり、24日にも放出を開始することを決めたことを受けて、東京電力は22日に処理水対策の担当者らが出席して、都内の本社で記者会見を開きました。

この中で担当者は、放出開始に向けた準備作業として、22日から処理水を海水で想定どおり薄められるかを確認する作業を始めることを明らかにしました。

また、処理水の放出に伴って、風評被害が発生した場合の賠償については、
▽10月2日から、被害を受けた事業者などからの賠償の求めに関する受け付けを始め、
▽11月20日から、請求があった事業者に対し必要な書面の送付を始める方針を明らかにしました。

会見で、東京電力福島復興本社の内田正明副代表は「すでに風評が生じているとか、中国の禁輸措置などの影響で被害が出ているといった申し出も数件受けている。それぞれの事情をうかがいながら適切に対応していく」と述べました。

東電 小早川社長 福島県知事らと面会

東京電力福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する計画をめぐり、政府が24日にも放出の開始を決めたことを受けて、東京電力の小早川智明社長は、福島県の内堀知事らと面会し、最大限の緊張感を持って準備を進めていくと強調しました。

福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する計画をめぐり、政府は22日午前、関係閣僚会議を開き、気象条件などに支障がなければ24日にも放出を始めることを決めました。

これを受けて東京電力の小早川社長は22日午後、福島県を訪れ、内堀知事や原発が立地する大熊町、双葉町の町長と面会しました。

この中で、小早川社長は、「放出に向けた準備を最大限の緊張感をもって速やかに進める。地元の懸念や不安に継続的に向き合い、当社が福島への責任の貫徹のために存続を許された会社であることを肝に銘じ、長きにわたる福島第一原発の廃炉を安全最優先に着実に進める」と述べました。

これに対し内堀知事は、「県民や国民の信頼の上に進めていくことが何よりも重要だ。トラブルなど不測の事態が生じることのないようお願いする」などと述べ、安全性の確保に万全を期すよう重ねて求めました。