【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(22日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる22日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プリゴジン氏 アフリカ入りか

ことし6月にロシア国内で武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏の動画メッセージが21日、SNSで公開されました。

プリゴジン氏の動画メッセージが公開されるのは反乱後、初めてです。

動画は40秒ほどで、撮影された日時や場所は明かされていませんが、アフリカのある国にいるとしています。

広い大地に立つプリゴジン氏は、迷彩服姿で銃を持ち「仕事をする。気温は50度。ワグネルは偵察活動を行っており、すべての大陸でロシアをより偉大に、アフリカをより自由にする」などと話し、ロシアに貢献していくことを強調しています。

その上で「英雄を雇い、定められた任務を遂行する」と話し、戦闘員を募集する意向を示したものとみられます。

ワグネルの部隊は、反乱のあと、ロシアの隣国ベラルーシへ移動していましたが、これまで活発に活動してきたアフリカに拠点を移すとの見方も出ていました。

ロシアに連日無人機 一部は国内から攻撃か

ロシア国防省は22日、モスクワの近郊と、ウクライナと国境を接する西部のブリャンスク州に、それぞれ無人機2機が飛来したものの、阻止し、けが人はいないと発表しました。

ウクライナによる攻撃だとしています。

モスクワ州の知事は、車や建物に被害が出たとして、窓が割れた車などの写真をSNSに投稿しました。

さらにロシア国防省は22日、黒海にあるロシアのガス採掘施設付近で、ウクライナ軍のボートを破壊したと発表しました。

ロシア側は国内への攻撃が相次いでいるとして警戒を強めています。

一方、今月19日、ロシア北西部ノブゴロド州の軍用飛行場で無人機による攻撃があり、航空機が破損したことについて、ロシア国防省は回転翼式の無人機が使われたとしています。

これについてイギリス国防省は22日、「ウクライナとの国境から650キロ離れている。回転翼式の無人機の航続距離で到達できる可能性は低い」と指摘し、攻撃がロシア国内から行われた可能性があるという分析を示しました。

これに加えてウクライナの地元メディアは、国防省情報総局関係者の話として、今月21日にも無人機がモスクワに隣接するカルーガ州の飛行場を攻撃し、爆撃機2機を損傷させたとしています。

この攻撃について情報総局の報道官は別の地元メディアに対し、「情報総局が調整したグループが成果を上げ、ロシアの中心部から帰還することに成功した」と述べ、ロシア国内から攻撃を行ったと主張するとともにさらなる攻撃を示唆しました。

ウクライナ国防次官「F16はゲームチェンジャー」

オランダとデンマークがウクライナに対してF16戦闘機の供与を相次いで決めたことについてウクライナのハブリロフ国防次官はNHKのインタビューに対して「現在はロシアが空で優位な状況にあるため、われわれにとってF16戦闘機は重要な能力であり『ゲームチェンジャー』だ」と述べて、戦況を大きく変えることへの期待を示しました。

そのうえで、F16が実際にウクライナに配備される時期について「パイロットや整備士の訓練が終わり次第で、訓練は半年かかる」と述べて、最初の配備は来年になるとの見通しを示しました。

ウクライナ 南部で前進か ロシアは撃退を主張

ウクライナ軍は東部ドネツク州や南部ザポリージャ州で反転攻勢を続けるとともに、東部ハルキウ州でロシア軍の攻撃を退けているとしています。

このうちザポリージャ州の主要都市メリトポリの北東およそ70キロに位置するロボティネについて、ウクライナのマリャル国防次官は21日「わが軍はロボティネの南東方面で成功を収めた」とSNSに投稿しました。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は20日の分析で「現地の映像からウクライナ軍が最近、ロボティネの東に進んだことがわかる」として、一定の前進があったという見方を示しています。

一方、ロシア国防省は20日、「ロボティネ付近でウクライナ軍の攻撃を5回、撃退した」と主張し、激しい攻防が繰り広げられているとみられます。

キーウ市長「独立記念日 大規模なイベント中止」

ウクライナの首都キーウのクリチコ市長は、今月24日の旧ソビエトからの独立記念日について、「安全を考慮した」として、国の行事以外の大規模なイベントを中止とするよう指示したと明らかにしました。

ウクライナ国防省はこの日にロシアが挑発行為を行う可能性があるという見方を示していて、警戒感が広がっています。

モスクワ近郊など 無人機が連日飛来

ロシア国内では、21日も首都モスクワの近郊や隣接する州、さらにウクライナとの国境近くの地域に無人機が飛来したと地元の知事などが相次いで発表しました。

モスクワ周辺では無人機が連日飛来していて、ロシア側はウクライナによる攻撃だとして警戒を強めています。