社会

牛襲うヒグマ「OSO18」を駆除 DNA鑑定の結果わかる 北海道

北海道東部でこれまで60頭余りの牛を襲った、OSO18(おそ・じゅうはち)と呼ばれるヒグマが駆除されたことがわかりました。

北海道によりますと、7月、道東の釧路町でヒグマ1頭が駆除され、体毛をDNA鑑定した結果、OSO18と同一の個体だとわかったということです。

北海道は22日午後にも正式に駆除したことを発表することにしています。

釧路町に隣接する標茶町と厚岸町では4年前の2019年からことし6月にかけて放牧中の牛66頭が襲われ、このうち32頭が死ぬ被害が出ていて、現場に残された体毛の鑑定結果や足跡などからいずれもOSO18による被害とみられています。

OSO18に5頭の牛が襲われた標茶町の酪農家、佐藤守さんは「けさ駆除されたとみられると知人からニュースを聞いて、ほっとして安心した。ただ、ヒグマがいなくなったわけではないので夜中も大音量でラジオを流すなどの対策は続けていきたい」と話していました。

「OSO18」とは 駆除までの経緯

「OSO(おそ)18」は、最初に牛が襲われた標茶町オソツベツという地名と、当初、足の幅が18センチあるとみられたことから、名付けられました。

体長は2メートルから2.2メートルのオスです。

最初の被害が確認されたのは2019年7月でした。標茶町オソツベツの牧場で体重400キロの牛が死んでいるのが見つかりました。その後も被害は続き、ことしも6月に標茶町で1頭が襲われ、死にました。

この4年間に襲われた牛はあわせて66頭。このうち半数近い32頭が死んでいます。

現場に残された体毛の鑑定結果や足跡などから、いずれも同一のクマ、OSO18による被害とみられています。

(4年間に襲われた牛のデータ)
2019年は28頭
2020年は5頭
2021年は24頭
2022年は8頭
2023年は1頭

被害が相次ぐ中、牧場は放牧地を囲む電気柵を設置するなど、対策に追われました。
北海道は「特別対策班」を結成し、捕獲を試みてきました。

わなを複数の箇所に設置しましたが、警戒心が強くてかかりません。人間がしかけたわなを学習する知能の高い個体だとみられています。

発砲が禁止されている夜間に牛を襲うことも、捕獲を難しくしました。

監視カメラが姿をとらえたのはわずか数回です。

こうしたなか、ことし6月、標茶町中チャンベツ原野に設置した監視カメラにクマ1頭がうつっているのが確認されました。採取された体毛を鑑定した結果、過去に採取されたOSO18のDNAの型と一致。これまではOSO18とみられるクマの画像などは公開されていましたが、OSO18と特定されたのは初めてでした。

人前に姿を見せないため「忍者」とも呼ばれたOSO18。ついに駆除されました。

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