タイ タクシン元首相派 軍に近い保守政党と連立政権構想を発表

ことし5月の総選挙後、政治の空白が続くタイで、タクシン元首相派の第2党が、これまで激しく対立してきた軍に近い保守政党との連立政権の構想を発表しました。22日に行われる見通しの首相指名の投票で新首相が誕生する可能性が高まっていますが、第1党の民主派政党を排除した大連立に、タイ国内では反発の声もあがっています。

タイの下院第2党でタクシン元首相派の「タイ貢献党」は21日、軍と関係の深い2つの保守派の政党を含む10党との連立政権の構想を発表しました。

首相の指名には上下両院750議席の過半数の支持が必要ですが、今回の大連立で下院の314議席を確保し、保守派の上院議員からも一定の支持を得られると見られています。

タイ貢献党は、22日に行われる見通しの首相指名の投票で不動産開発大手の元経営者、セター氏を擁立する構えで、新首相が誕生する可能性が高まっています。

長年、対立関係にある軍に近い勢力との大連立についてタイ貢献党のチョンナン党首は記者会見で「批判は承知のうえだ」と述べ、あくまで政権樹立を優先する考えを示しました。

下院第1党の民主派政党を排除することで、かつてのいわば宿敵どうしが手を結ぶことになった今回の大連立に対しては、20日に発表された世論調査では6割余りが反対していて、国民からの反発も予想されます。