処理水 早ければ24日にも放出開始で最終調整 岸田首相

東京電力福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する計画をめぐり、岸田総理大臣は、漁業者側の理解が一定程度進みつつあるとして、早ければ今週24日にも放出を始める方向で最終調整に入りました。

福島第一原発にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画をめぐり、岸田総理大臣は放出時期を判断すべき最終段階にあるとしていて、21日に全漁連=全国漁業協同組合連合会の坂本雅信会長らと面会しました。

この中で岸田総理大臣は「国として海洋放出を行う以上、安全に完遂すること、また安心してなりわいを継続できるよう必要な対策をとり続けることを、たとえ今後数十年の長期にわたろうとも、全責任を持って対応することを約束する」と述べ、理解を求めました。

これに対し、全漁連の坂本会長は「国民の理解が得られない処理水の海洋放出に反対であるということはいささかも変わりはない」と述べつつも「科学的な安全性への理解は、私ども漁業者も深まってきた。岸田総理の『たとえ数十年にわたっても国が全責任を持って対応をしていく』という発言は非常に重い発言だと受け止めている」と述べました。

一方、科学的な安全と社会的な安心は異なるとして、風評被害などへの懸念を重ねて示しました。

面会のあと岸田総理大臣は、記者団に対し「全漁連の代表と直接会い、『理解は進んでいる』という声もいただいた。重く受け止め、引き続き漁業者と意思疎通をしていくことが何より重要だ。関係者でフォローアップする場を設け、政府を挙げて寄り添った対応を行っていく」と述べました。

そして岸田総理大臣は、漁業者側の理解が一定程度進みつつあるとして、早ければ今週24日にも放出を始める方向で最終調整に入りました。

政府は、22日午前、関係閣僚会議を開き、具体的な日程を決定することにしています。