【詳しく】高校野球 仙台育英が2年連続決勝へ 神村学園に勝利

夏の全国高校野球は21日、準決勝の2試合です。
第1試合は去年、東北勢として初優勝し、連覇をねらう宮城の仙台育英高校が鹿児島の神村学園に6対2で勝って、2年連続の決勝進出を決めました。

記事後半では試合経過を詳しくお伝えしています。

ーーーー 123 456 789 計HE 
神村学園 010 010 000 271 
仙台育英 014 000 01X 682.

《試合概要》

仙台育英は2回に1点を先制されましたが、そのウラ、タイムリーヒットで同点に追いつき、3回は4番・齋藤陽選手のスクイズで勝ち越しました。

仙台育英 鈴木拓斗選手がツーランHR

さらに6番・鈴木拓斗選手のツーランホームランなどで、この回一挙4点を奪って試合を優位に進めました。

投げては今大会初めて先発したエースの高橋煌稀投手が伸びのあるストレートを中心に5回まで2失点にまとめ、6回からリリーフした2人目の湯田統真投手は4イニングをヒット1本、三塁を踏ませないピッチングで神村学園の打線につけいる隙を与えませんでした。

仙台育英 2人目 湯田統真投手

仙台育英は8回にも1点を加え神村学園に6対2で勝って、決勝に進み、東北勢として初めて優勝した去年に続く、史上7校目の連覇まであと1勝としました。

仙台育英 2年連続の決勝へ

初めてベスト4に進んだ神村学園は、2回にタイムリーヒットで今大会5試合連続で先制しましたが、好投が続いていた2人目の黒木陽琉投手が5失点と崩れて、鹿児島県勢として29年ぶりの決勝進出はなりませんでした。

《両チーム談話》

仙台育英 須江航監督「決勝 ぜひパワーを送ってほしい」

試合後、仙台育英高校の須江航監督は「猛烈な打球で攻撃されていたので、最後までひっくり返されるのではないかと思いながら試合を見守っていた」と振り返りました。先制された直後の2回ウラに4番の齋藤陽選手のスクイズで同点とした場面については「2点目を運よく取られなかったので、すぐに返して試合をフラットに戻したかった」と話していました。そして、決勝に向けては「あと1試合、東北6県、宮城のみなさん、ぜひパワーを送ってほしい。みんなの気持ちを持って戦いたい」と意気込みを述べました。

ツーランHR 仙台育英 鈴木拓斗選手「うまく風に乗ってくれた」

3回にリードを広げるツーランホームランを打った仙台育英の2年生、鈴木拓斗選手は「負けてしまうと3年生と野球ができなくなってしまうので、1試合でも多く野球をやりたいと思って、しっかり狙い球を絞って打った。少し詰まったかなと思ったが、うまく風に乗って入ってくれた」と振り返りました。連覇を目指す決勝に向けては「相手はどちらが来ても強豪だが、うちのチームは先制点を取れば強いので自分のバットで、その先制点をたたき出して大会連覇に向けて頑張っていきたい」と意気込んでいました。

神村学園 黒木陽琉投手「強い気持ちをもう1度取り戻して」

2人目でマウンドにあがった神村学園の黒木陽琉投手は3回に4点を取られた場面について「バッテリーミスで追加点を奪われたときに少し気持ちが切れてしまい、甘く入ったボールをスタンドまで運ばれてしまいました」とホームランを許した1球を悔やんでいました。一方、4回以降、ピンチを作りながらも1失点に抑えた投球について「小田監督から『粘り強く投げれば後半に必ずいい流れがくるから頑張れ』と声をかけてもらい、強い気持ちをもう1度取り戻すことができ、立ち直ることができました」と振り返っていました。

神村学園 松尾龍樹選手「後輩にはベスト4以上を」

先制のタイムリーを打った神村学園の松尾龍樹選手は「ここまで全試合、先制して流れをもってきていたので、チャンスで打つことができてよかったです。相手の投手陣はストレートに力がありましたが、強く振り抜く意識で挑んだ結果、タイムリーにつながったと思います」と話していました。また、2番の増田有紀選手や4番の正林輝大選手など1、2年生の活躍が目立ったことについて「後輩の力もありベスト4まで進むことができたと思います。後輩たちには、もう1度甲子園に帰ってきてベスト4以上を目指してほしいです」と話していました。

《試合経過》

《先発メンバー》

先攻:神村学園(鹿児島)

1.(一)今岡歩夢
2.(二)増田有紀
3.(左)秋元悠汰
4.(右)正林輝大
5.(三)岩下吏玖
6.(中)上川床勇希
7.(遊)松尾龍樹
8.(捕)松尾大悟
9.(投)松永優斗

後攻:仙台育英(宮城)

1.(中)橋本航河
2.(遊)山田脩也
3.(三)湯浅桜翼
4.(右)齋藤陽
5.(捕)尾形樹人
6.(左)鈴木拓斗
7.(二)登藤海優史
8.(投)高橋煌稀
9.(一)住石孝雄

9:02【試合開始】

午前9時2分、夏の全国高校野球の準決勝第1試合、宮城の仙台育英と、鹿児島の神村学園の試合が始まりました。先攻は神村学園、後攻が仙台育英です。神村学園は初めての決勝進出を、去年、東北勢として初優勝し、連覇をねらう仙台育英は2年連続の決勝進出を目指します。

【1回表】神村学園 走者出すも無得点

仙台育英 先発 高橋煌稀投手

1.今岡歩 ショートゴロ
2.増田 センター前ヒット
3.秋元 空振り三振
4.正林 一塁ランナー増田が盗塁失敗でスリーアウト
(仙台育英0-0神村学園)

【1回ウラ】仙台育英 得点圏に進むも無得点

神村学園 先発 松永優斗投手

1.橋本 フォアボール
2.山田 橋本が盗塁で二塁へ 空振り三振
(1アウト二塁)
3.湯浅 ショートゴロ
(2アウト二塁)
4.齋藤陽 ファーストゴロ
(仙台育英0-0神村学園)

★【2回表】神村学園が先制

神村学園 松尾龍樹が先制タイムリー

2回表、神村学園は1アウト一塁二塁のチャンスで7番の松尾龍樹選手がタイムリーツーベースヒットを打って1点を先制しました。

4.正林 レフト前ヒット
5.岩下 送りバント成功
6.上川床 デッドボール
(1アウト一塁二塁)
7.松尾龍 レフトオーバーのタイムリーツーベース
(★仙台育英0-1神村学園)
8.松尾大 空振り三振
9.松永 空振り三振

★【2回ウラ】仙台育英がすぐに追いつく

仙台育英 登藤海優史が同点タイムリー

2回ウラ、仙台育英は1点を返し、すぐに同点に追いつきました。

5.尾形 センター前ヒット
6.鈴木 セカンドライナー 守備のファインプレー
7.登藤 尾形が二塁への盗塁成功 レフト前タイムリーヒットで同点
(★仙台育英1-1神村学園)
8.高橋 登藤が二塁への盗塁成功 見逃し三振
9.住石 ツーボールのあと神村学園は松永から黒木へ投手交代 フォアボール
(2アウト一塁二塁)
1.橋本 セカンドゴロ

【3回表】神村学園 ランナー二塁も無得点

1.今岡歩 ファーストゴロ
2.増田 ライト前ヒット
3.秋元 送りバント成功
(2アウト二塁)
4.正林 ライトフライ
(仙台育英1-1神村学園)

★【3回ウラ】仙台育英が4点勝ち越し 鈴木拓斗選手ツーラン

仙台育英 齋藤陽選手 スクイズで勝ち越し

仙台育英は一気に4点を勝ち越しました。

2.山田 レフト前ヒット
3.湯浅 盗塁とキャッチャーの悪送球でランナー三塁 ショートゴロ
(1アウト三塁)
4.齋藤陽 スクイズ成功で勝ち越し 記録はサードのフィルダースチョイス
(★仙台育英2-1神村学園)
5.尾形 ライト前ヒット
(1アウト一塁三塁)

鈴木拓斗選手のツーランでリード広げる

6.鈴木 ワイルドピッチで1点追加
(★仙台育英 3-1神村学園)
ツーランホームランでさらに2点追加
(★仙台育英 5-1神村学園)
7.登藤 見逃し三振
8.高橋 空振り三振

【4回表】神村学園 三者凡退 両チーム通じ初

5.岩下 見逃し三振
6.上川床 空振り三振
7.松尾龍 レフトフライ
(仙台育英5-1神村学園)

【4回ウラ】仙台育英 ランナー三塁も追加点はならず

9.住石 フォアボール
1.橋本 ワイルドピッチでランナー二塁 送りバントで三塁へ
(1アウト三塁)
2.山田 ピッチャーゴロ
3.湯浅ピッチャーライナー
(仙台育英5-1神村学園)

★【5回表】神村学園が2アウトから1点返す

神村学園は2番・増田有紀選手がタイムリーヒットを打って1点を返しました。

8.品川 見逃し三振
9.黒木 空振り三振
1.今岡歩 ツーベースヒット
(2アウト二塁)
2.増田 ライト前へのタイムリーヒット 送球がそれる間に打った増田は二塁に進塁
(★仙台育英5-2神村学園)(2アウト二塁)
3.秋元 大きな当たりもレフトフライ

仙台育英 レフト 鈴木拓斗選手が好守

【5回ウラ】仙台育英 ランナー出すも3人で攻撃終える

4.齋藤陽 レフトフライ
5.尾形 センターへのツーベースヒット
6.鈴木 二塁ランナーが飛び出し二塁と三塁の間に挟まれアウト
セカンドゴロでスリーアウト
(仙台育英5-2神村学園)

【6回表】神村学園 三者凡退

仙台育英が先発の背番号「1」高橋煌稀投手から背番号「10」の湯田統真投手に交代しました。

4.正林 センターへの大きなフライ
5.岩下 レフトフライ
6.上川床 ライトフライ
(仙台育英5-2神村学園)

【6回ウラ】仙台育英 ランナー出すも無得点

7.登藤 サードフライ
8.湯田 セカンドゴロ
9.住石 レフト前ヒット
1.橋本 サードゴロ サードの好守備でスリーアウト
(仙台育英5-2神村学園)

【7回表】神村学園 2イニング続けて三者凡退

7.松尾龍 センターフライ
8.品川 空振り三振
9.黒木 空振り三振
(仙台育英5-2神村学園)

【7回ウラ】仙台育英 ランナー2人出るも無得点

7回ウラ、仙台育英はフォアボールでランナーが2人出ましたが、そのあとがつながりませんでした。

2.山田 サードゴロ
3.湯浅 フォアボール
4.齋藤陽 フォアボール
(1アウト一塁二塁)
5.尾形 空振り三振
(2アウト一塁二塁)
6.鈴木 ファーストフライ
(仙台育英5-2神村学園)

【8回表】神村学園 1番からも三者凡退

神村学園は1番からの攻撃も三者凡退。仙台育英のピッチャーが湯田統真投手に代わってから9人連続で打ち取られています。

1.今岡歩 レフトフライ
2.増田 ショートゴロ 相手のファインプレーに阻まれる
3.秋元 見逃し三振
(仙台育英5-2神村学園)

★【8回ウラ】仙台育英が追加点

仙台育英は1点を追加しリードを4点に広げました。

7.登藤 フォアボール
8.湯田 送りバント成功
9.住石 センターフライ
1.橋本 ワイルドピッチでランナー三塁
(2アウト三塁)
センター前にタイムリーヒット
(★仙台育英6-2神村学園)
2.山田 この試合チーム5つ目の盗塁でランナー二塁 空振り三振

【9回表】神村学園 粘るも…仙台育英が2年連続決勝へ

仙台育英 2年連続の決勝へ

神村学園は一塁二塁のチャンスを作り粘りを見せましたが、得点を奪えませんでした。勝った仙台育英は去年に続いて2年連続の決勝進出です。

4.正林 ライト前ヒット 代走・照屋
5.岩下 セカンドゴロ 二塁のみアウト
6.上川床 サードの悪送球で一塁二塁
7.松尾龍 セカンドゴロ ダブルプレー(試合終了)
(仙台育英6-2神村学園)

神村学園 初の決勝はならず

《準決勝 第1試合 仙台育英×神村学園 見どころ》

【仙台育英】
去年、東北勢として初優勝し、連覇をねらう仙台育英は甲子園で実績がある実力校との対戦が続きましたが、投打ともに力を発揮し、勝ち上がってきました。打線は準決勝に進んだ4チームの中でチーム打率と1試合平均の得点がいずれも最も高く、1番の橋本航河選手が全選手でトップとなるヒット10本、打率6割2分5厘とチームをけん引しているほか、3番の湯浅桜翼選手がトップの9打点をあげています。

150キロを超える速球を投げる3人のピッチャーをそろえ、全国屈指と言われる投手陣は、湯田統真投手が準々決勝で4イニングを投げ8つの三振を奪ってヒット1本に抑えるなど、調子を上げています。

【神村学園】
対する神村学園も投打に安定した力を見せて、初めてベスト4に勝ち上がりました。打線は6番の上川床勇希選手が打率6割をマーク、7番の松尾龍樹選手がチームトップの6打点をあげるなど切れ目がなく3回戦まで3試合連続でふた桁得点をあげ、準々決勝でも8回に一挙5点を奪いました。

投手陣では4試合すべてにリリーフとして登板している左腕の黒木陽琉投手が大きく曲がるスライダーを軸に16イニング余りを投げて失点がわずか1と、抜群の安定感を見せています。勝てば鹿児島県勢としては樟南高校が準優勝した1994年の大会以来29年ぶりの決勝進出です。

《両チーム 今大会成績》

◆仙台育英(宮城)/4試合

▽1回戦:19-9 浦和学院
▽2回戦:8-2 聖光学院
▽3回戦:4-3 履正社
▽準々決勝:9-4 花巻東

【チームデータ】
▼チーム打率:.364
▼ホームラン数:4
▼盗塁:5
▼犠打:10
▼1試合平均得点:10
▼1試合平均失点:4.5
▼チーム防御率:3.50
▼失策:7

◆神村学園(鹿児島)/4試合

▽1回戦:10-2 立命館宇治
▽2回戦:11-1 市和歌山
▽3回戦:10-4 北海
▽準々決勝:6-0 おかやま山陽

【チームデータ】
▼チーム打率:.348
▼ホームラン数:1
▼盗塁:5
▼犠打:11
▼1試合平均得点:9.25
▼1試合平均失点:1.75
▼チーム防御率:1.75
▼失策:1

【今大会 勝ち上がり】