陸上世界選手権 男子100m サニブラウンが6位入賞 過去最高順位

ハンガリーで開かれている陸上の世界選手権、男子100メートルの決勝でサニブラウンアブデル・ハキーム選手が、2大会連続で決勝に進出し、決勝では10秒04のタイムで過去最高の6位入賞を果たしました。

去年の世界選手権で日本選手として初めて決勝に進出し7位に入賞を果たしたサニブラウン選手は、ことしの世界選手権の準決勝で自己ベストにならぶ9秒97の好タイムをマークし、上位8人による決勝に進みました。

決勝ではほかの7人の選手がいずれもベストタイムでサニブラウン選手よりも速いという高レベルな争いとなりました。

サニブラウン選手はスタートの反応タイムで全体の7番目と出遅れ、そこから加速しましたが、中盤の伸びを欠きました。

それでも最後まで粘りの走りを見せて無風の条件の中、10秒04のタイムで6位に入りました。

サニブラウン選手は、去年の世界選手権の7位を上回り、過去最高の成績で2大会連続の世界選手権入賞を果たしました。

金メダルは世界選手権の男子200メートルで2連覇中の、アメリカのノア・ライルズ選手で、タイムは9秒83でした。

サニブラウン「メダル そろそろつかみたい」

サニブラウン選手は、決勝のレースのあと「本当に悔しい。最初からレースをしっかり組み立てられず、中盤で伸びずに離されてしまった。去年の前回大会よりは冷静にレースに入れていたし、ことしは上位にいけると思っていたので満足はしていない」と悔しさをにじませました。

そのうえで「準決勝を突破してとりあえずよかったと思ったが、ほかの選手たちはここでもう一段階上げてくるので、それができないと勝てない。体の調子も悪くなかったので、決勝に向けもっと集中して臨めていたら違ったのかなと思う」と課題を口にしました。

そして、今後に向けては、「メダルは手に届きそうなところまで近づいているので、そろそろつかみたい」と話していました。

サニブラウン選手のこれまで

サニブラウン アブデル・ハキーム選手は、ガーナ出身の父親と日本人の母親を持つ24歳。1メートル90センチの体格を生かしたストライドの大きな走りが持ち味です。

2017年の9月にアメリカの強豪、フロリダ大学に進学し、2019年6月の全米大学選手権で9秒97の当時の日本新記録をマークしました。

東京オリンピックに向けては練習拠点を多くのメダリストが集まるプロチームに移籍し、練習環境を整えましたが初めてのオリンピックとなった東京大会では100メートルの代表入りを逃し、出場した200メートルでは予選で敗退するなど本来の力を発揮できませんでした。

それでも、去年の世界選手権では、男子100メートルで日本選手として初めて決勝に進み7位で入賞を果たすなど世界の舞台で結果を残してきました。

今シーズンは、序盤はけがなどもあって調子が上がりませんでしたが、先月の国際大会では10秒09をマークし、世界選手権の準決勝では自身4回目の9秒台となる9秒97の自己ベストに並ぶ好タイムをマークしていました。