ロシア 西部の駅に無人機突っ込む モスクワ郊外にも無人機飛来

ロシアでは20日、無人機が首都モスクワの郊外や西部にある駅など3か所に飛来したと発表されました。相次ぐ無人機攻撃により、空軍に防空を強化すべきだという強い圧力がかかっているという見方が出ています。

ウクライナと国境を接するロシア西部クルスク州の当局は、20日未明、中心都市クルスクの駅に無人機が突っ込み、屋根や外壁が破損したと、SNSに投稿しました。

駅には利用客など50人がいて、ガラスの破片で5人がけがをしたとしています。

また、ロシア国防省は20日、首都モスクワ南部の郊外上空を市内に向かって飛行していた無人機1機を発見して、妨害電波で墜落させたと発表し、ウクライナによる攻撃だとしています。

さらに、南部ロストフ州の知事も、州内に無人機3機による攻撃が仕掛けられたとSNSで発表しました。人的被害や建物の損傷はないとしています。

ロシア国内では、無人機が相次いで飛来していて、国防省は19日も、モスクワ郊外やウクライナとの国境付近などで無人機攻撃が仕掛けられたと発表していました。

イギリス国防省は20日に発表した分析で、モスクワや郊外などで相次ぐ無人機攻撃について、「国境から遠い地域に対する攻撃には戦略的な重要性がある」として、侵攻に踏み切ったプーチン政権が、当初は想定していなかったような国民への直接的な影響が増していると指摘しています。

その上で、防空を担当する空軍について、「上層部には、ロシア西部の防空を強化すべきだという強い圧力がかかっている可能性が高い」という見方を示しています。