陸上世界選手権男子400m 佐藤拳太郎が日本新 32年ぶり記録更新

ハンガリーで行われている陸上の世界選手権、男子400メートルの予選で、28歳の佐藤拳太郎選手が44秒77でフィニッシュし、32年ぶりに日本記録を更新する快挙を果たし、準決勝に進出しました。また、27歳の佐藤風雅選手も日本歴代3位の44秒97の好タイムで準決勝に進みました。

ハンガリーのブダペストで開かれている陸上の世界選手権は、大会2日目の20日、男子400メートルの予選が行われ、日本からは佐藤拳太郎選手と佐藤風雅選手、それに21歳の中島佑気ジョセフ選手の3人が出場しました。

予選1組に登場した佐藤拳太郎選手は、200メートル地点では5番手でしたが、粘り強い走りでラスト100メートルで順位を上げ、この組の2着でフィニッシュしました。

タイムは44秒77で、高野進さんが1991年にマークした44秒78の日本記録を32年ぶりに100分の1秒更新する快挙を果たし、準決勝に進みました。

また、予選4組に出場した佐藤風雅選手も44秒97の日本歴代3位の好タイムをマークして、この組の2着に入り、準決勝に進みました。

この種目の日本選手で過去に44秒台をマークしたのは高野さん1人だけで、この日のレースでは2人が44秒台をマークする躍進をみせました。

このほか、予選5組では中島選手が45秒15のタイムで3着に入り、こちらも準決勝進出を決めました。

準決勝へ 佐藤「ここで満足せず 決勝に進出したい」

32年ぶりに日本新記録をマークした佐藤選手は、「予選から積極的にいくしかないと思っていた。東京オリンピックの金メダリストのスティーブン・ガーディナー選手が外側に見えていたので、最後まで捉えて走ることができた。日本新記録は絶対出さないといけないと思っていた。まだまだここで満足せず、準決勝でもよりタイムを上げて、決勝に進出したい」と次のレースを見据えていました。

前日本記録保持者の高野進さん SNSでたたえる

陸上の男子400メートルで佐藤拳太郎選手が32年ぶりに日本記録を更新したことについて前の日本記録保持者の高野進さんは自身のSNSに「日本記録更新おめでとう!準決勝が楽しみです。大会を見ていてゆっくりでもいいから走りたくなりました」と投稿し、佐藤選手の記録更新をたたえました。

佐藤拳太郎選手とは

佐藤拳太郎選手は、埼玉県出身の28歳。弾むようなバネを生かした走りが持ち味です。

高校生の時に陸上を始め、大学3年生だった2015年に日本選手権の男子400メートルで2位に入り、翌年のリオデジャネイロオリンピックの1600メートルリレーの日本代表に選出されました。

今シーズンは5月に静岡県の大会で45秒31をマークして、8年ぶりに自己ベストを更新し、7月のアジア選手権では日本歴代2位となる45秒00の好記録をマークして優勝するなど、今シーズン好調をキープしていました。