ロシアとウクライナ 双方兵士の死傷者数50万人近くに 米有力紙

アメリカの有力紙は18日、ロシアとウクライナ双方の兵士の死傷者の数が、あわせて50万人近くにのぼるという見方を伝えました。ロシアによる軍事侵攻からまもなく1年半となるなか、双方の犠牲が拡大し続けています。

アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは18日、複数のアメリカ当局者の話として、軍事侵攻が始まった去年2月以降、ロシアとウクライナ双方の兵士の死傷者の数が、あわせて50万人近くにのぼっていると伝えました。

それによりますと、
▽ロシア側の死者はおよそ12万人、けが人は最大およそ18万人で、
▽ウクライナ側の死者はおよそ7万人、けが人は最大およそ12万人にのぼるということです。

双方が正確な兵士の死傷者の数を公表しておらず、把握は困難だとしていますが、ウクライナによる反転攻勢が続くなか、東部での死傷者が増え続けているうえ、ウクライナ側には前線で負傷した兵士への医療態勢が整っておらず、死者を増加させる要因になっていると指摘しています。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、スウェーデンを訪問してクリステション首相と会談し、スウェーデン製の戦闘機グリペンの供与について協議が始まったことを明らかにしました。

また、その後公開された動画でゼレンスキー大統領は、スウェーデンの歩兵戦闘車CV90について「前線で必要とされるものだ。われわれが生産しなくてはならない」と述べ、ウクライナ国内で生産することをスウェーデンと合意したと明らかにしました。

ロシアによる軍事侵攻からまもなく1年半となり、双方に犠牲が増え続けるなか、欧米の軍事支援を背景にしたウクライナの反転攻勢の行方が焦点となっています。