【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(20日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる20日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米空軍司令官 「ウクライナでF16戦闘機 来年以降だろう」

ウクライナ空軍の司令官は、制空権の確保に向けてF16戦闘機を求めているとしていますがウクライナ兵に対する訓練が行われるなかで課題も明らかになっています。

アメリカのCNNテレビなどによりますと、ヨーロッパなどを管轄するアメリカ空軍のヘッカー司令官は18日、F16の訓練に参加しているウクライナのパイロットは若く、習熟が必要だという認識を示しました。飛行訓練の前にイギリスで英語の研修を進めているとしたほか、さらにフランスでF16ではない別の戦闘機を使った訓練を行うとしています。

その上で司令官は「ウクライナでF16を見ることができるのは、来年以降になるだろう」と述べたうえで、戦況をすぐに変えることができる「特効薬」にはならないとの見方を強調しています。

ウクライナ保安庁長官「クリミア大橋」での爆発 関与明らかに

ウクライナ保安庁のマリュク長官は地元メディアの取材に対し、去年10月、ロシアが一方的に併合しているウクライナ南部のクリミアとロシアをつなぐ「クリミア大橋」で起きた爆発について、長官みずからが関与したと明らかにした上で作戦の詳細について述べました。

それによりますと、作戦では21トンの爆発物を危険物と怪しまれないよう、筒状の大きな積み荷として大型トラックに乗せ、クリミアの橋を走行中に爆発させたということです。マリュク長官によりますと、この作戦には自身と、信頼を寄せる2人の部下だけが関与したということです。

インタビューの中でマリュク長官は「現場まで爆発物を運ぶのは困難を極めた」としたものの「外国からの支援は受けていない」と強調し、ウクライナ保安庁の力だけで達成したと誇示しました。

ロシア西部の駅やモスクワ郊外に無人機飛来

ロシアでは20日、無人機が首都モスクワの郊外や西部にある駅など、3か所に飛来したと発表されました。

相次ぐ無人機攻撃により、空軍に防空を強化すべきだという強い圧力がかかっているという見方が出ています。

ロシアとウクライナ 双方兵士の死傷者数50万人近くに 米有力紙

アメリカの有力紙は18日、ロシアとウクライナ双方の兵士の死傷者の数が、あわせて50万人近くにのぼるという見方を伝えました。

ロシアによる軍事侵攻からまもなく1年半となるなか、双方の犠牲が拡大し続けています。

ウクライナ北部にミサイル攻撃 7人死亡 148人けが

ウクライナ内務省は19日、北部チェルニヒウの中心部にある劇場に、ロシア軍のミサイル攻撃があったと発表しました。

この攻撃で7人の死亡が確認され、このうち1人は6歳の女の子だということです。

また、子どもを含む148人がけがをしているということです。

一方、ロシア国防省は19日、ロシア北西部ノブゴロド州の軍用飛行場で無人機による攻撃があり、駐機場で火災が発生し、航空機1機が損傷したほか、首都モスクワ近郊やウクライナとの国境付近でも無人機攻撃が仕掛けられたと発表しました。

モスクワやその周辺ではこのところ無人機の飛来が相次ぎ、ロシア側は警戒を強めています。

ゼレンスキー大統領 スウェーデン訪問 戦闘機供与を協議

ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、スウェーデンの首都ストックホルムを訪問してクリステション首相と首脳会談を行いました。

会談のあとの共同記者会見でゼレンスキー大統領はスウェーデン製の戦闘機グリペンがウクライナに供与される可能性について「今後のステップについて詳細に意見を交わした」と述べ、スウェーデン側との協議が始まったことを明らかにしました。

また、ゼレンスキー大統領は「グリペンがあれば我々の自由はより確実に守られると確信している」と述べて、今後、実際に供与されることへの期待を示しました。

ウクライナ政府は欧米各国に対して戦闘機の供与を求めていて、アメリカのF16戦闘機の供与へ向けてデンマークとオランダの主導でウクライナ兵への訓練が行われています。