プーチン大統領 前線近くの司令部へ “こう着状態”指摘も

ロシア大統領府は19日、プーチン大統領が、前線に近いロシア南部にある司令部を訪れたと発表し、ウクライナ侵攻の総司令官などから報告を受けたとしています。ウクライナでは、ロシア軍の攻撃による被害が相次ぐ一方、ほとんどの前線ではこう着した状態だとの指摘も出ています。

ロシア大統領府は19日、プーチン大統領が、ウクライナと国境を接し前線に近い南部ロストフ州の司令部を訪れて会議を開いたと発表し、ウクライナ侵攻の総司令官をつとめるゲラシモフ参謀総長などから報告を受けたとしています。

国営通信社が公開した映像には、プーチン大統領が車から降り、司令部とみられる建物で会議に参加する様子が映されていて、前線の状況や今後の対応について報告を受けたとみられます。

一方、ウクライナでは、ロシア軍による攻撃の被害が相次いでいて、南部ヘルソン州の検察当局は、18日、ロシア軍による砲撃で1人が死亡し、1人がけがをしたと発表しました。

また、東部ドネツク州の知事は19日、ロシア側による攻撃で5人がけがをしたことを明かし、西部フメリニツキー州の当局は、ロシア軍の攻撃による爆風などで少なくとも2人がけがをしたとしています。

イギリス国防省は19日、ウクライナ軍が、東部ドネツク州西部にある川に沿って前進し、ウロジャイネを解放したとする一方、この1週間、ほとんどの前線はこう着状態だとの分析を発表しました。

そしてウクライナ、ロシア双方とも、相手の強固な防衛線の突破を試みているものの、新たな攻撃のための戦力は限られているという同じ課題に直面していると指摘しています。