日米韓首脳会談が終わる 緊急時の情報共有の仕組み強化へ

アメリカを訪れている岸田総理大臣は、バイデン大統領と韓国のユン・ソンニョル大統領との日米韓3か国の首脳会談に臨みました。首脳や外務防衛の閣僚級などの会談を定例化させることや、緊急時の情報共有の仕組みを強化することで合意したものとみられます。

日米韓3か国の首脳会談は、日本時間の19日午前0時半ごろからワシントン郊外にある大統領専用の山荘、キャンプ・デービッドで行われました。

冒頭、岸田総理大臣は「歴史あるキャンプ・デービッドに招いていただき感謝している。ユン大統領とはことしの3月以降、毎月のように会っている。こうして3か国の首脳が一堂に会することは新たな歴史を作っていると言える」と述べました。

その上で「国際社会は歴史の転換点を迎えている。日米同盟と米韓同盟との間の連携を強めつつ、日米韓の安保協力を新たな次元に高めていきたい。3人で日米韓パートナーシップの新時代を宣言すべく、胸襟を開いて議論することを楽しみにしている」と述べました。

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は「現代の外交史で象徴的なキャンプ・デービッドで、3か国の協力の新たな章を開くことは意義深いと考えている。各国の自由が脅かされたり損なわれたりしないよう、われわれは結束しなければならない。それは未来の世代への約束であり責務だ。きょうは、3か国の協力の制度的基盤と推進するための意志を確固たるものにする歴史的な日として記録されるだろう。3か国の協力を画期的に強化するため、深い議論が行われることを期待する」と述べました。

アメリカのバイデン大統領は「2人を迎えることが出来て光栄に思う。今回の会談は私がキャンプ・デービッドで行う初めての首脳会談というだけでなく日本、韓国、アメリカの首脳が国際会議以外の場で行う初めての首脳会談だ」と述べました。

その上で「3か国の協力の新たな章を記すのに、キャンプ・デービッドでの会談ほどふさわしい方法はない」とその意義を強調しました。そして「われわれが協力すれば世界はより安全になる。両国と新たな協力の時代を始め、インド太平洋地域や世界のために寄与するという決意を新たにすることを楽しみにしている」と述べました。

バイデン大統領が外国の首脳をキャンプ・デービッドに招くのは初めてで、昼食もとりながら意見が交わされました。

会談では、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、力による一方的な現状変更の試みを許さないという立場に加え、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性などを改めて共有したものとみられます。

そして、北朝鮮や中国の動向も踏まえ、3か国の部隊による共同訓練の実施や、北朝鮮のミサイル発射に関する情報の即時共有など、安全保障協力の強化を確認したものとみられます。

また、半導体などのサプライチェーンの強じん化といった経済安全保障面での連携拡大でも一致したとみられます。

さらに3か国の首脳や外務防衛の閣僚級などの会談を定例化させるほか、緊急時の情報共有の仕組みを強化することで合意したものとみられます。

3か国の首脳はこのあとそろって記者会見を行うとともに一連の成果を複数の文書にまとめ、発表することにしています。