中国 日本の水産物輸入 約3割減 輸入規制強化の影響か

中国が先月、日本から輸入した水産物は去年の同じ月と比べて、金額でおよそ3割減ったことが明らかになりました。東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水を薄めて海に放出する計画を受けて、中国各地の税関当局が輸入規制を強化していることが影響したとみられます。

中国の税関当局が18日発表した統計によりますと、先月の日本からの水産物の輸入額は3200万ドル余り、日本円でおよそ47億円で、去年の同じ月と比べておよそ3割、減少しました。輸入額は6月と比べても3割余り減少しています。

中国では先月、東京電力福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する計画を受けて、各地の税関当局が日本産の水産物を対象に放射性物質の検査を強化し、手続きに時間がかかることから、鮮魚などの日本からの輸入が難しくなっていることが影響しているとみられます。

農林水産省によりますと、去年の日本から中国への水産物の輸出額は国や地域別で最も多い871億円でしたが、中国の日本料理店などでは中国産の食材に切り替えるなど影響が広がっています。

日本政府は処理水の放出を始める時期について詰めの検討を行っていて、中国政府のさらなる反発も予想されます。