【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(19日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる19日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ北部 ミサイル攻撃で7人死亡

ウクライナ内務省は19日、北部チェルニヒウの中心部にある劇場に、ロシア軍のミサイル攻撃があったと発表しました。

この攻撃でこれまでに7人の死亡が確認されこのうち1人は、6歳の女の子だということです。

このほか、子どもを含む90人がけがをしているということです。

今回の攻撃について、ウクライナのゼレンスキー大統領は19日SNSに声明を投稿しました。

この中でゼレンスキー大統領は「ロシアのミサイルがチェルニヒウ中心部を攻撃した。普通の土曜日だったが、ロシアが苦痛と喪失の日に変えてしまった」と厳しく非難しました。

その上で「世界全体でロシアのテロに対抗するためにもっと努力しなければならない。私たちの生活を守るためにも努力が必要だ」として国民に団結を呼びかけています。

ゼレンスキー大統領がSNSに投稿した映像には

ウクライナのゼレンスキー大統領が19日SNSに投稿した映像には、攻撃を受けて壊れたチェルニヒウ中心部の劇場とみられる建物が映されていて、周辺にはがれきが散乱している様子が確認できます。

また建物の近くにはフロントガラスが割れた車も映っています。

プーチン大統領 前線の司令部を訪問

ロシア大統領府は19日、プーチン大統領が、ウクライナと国境を接し前線に近い南部ロストフ州の司令部を訪れて会議を開いたと発表し、ウクライナ侵攻の総司令官をつとめるゲラシモフ参謀総長などから報告を受けたとしています。

国営通信社が公開した映像には、プーチン大統領が車から降り、司令部とみられる建物で会議に参加する様子が映されていて、前線の状況や今後の対応について報告を受けたとみられます。

一方、ウクライナでは、ロシア軍による攻撃の被害が相次いでいて、南部ヘルソン州の検察当局は、18日、ロシア軍による砲撃で1人が死亡し、1人がけがをしたと発表しました。

また、東部ドネツク州の知事は19日、ロシア側による攻撃で5人がけがをしたことを明かし、西部フメリニツキー州の当局は、ロシア軍の攻撃による爆風などで少なくとも2人がけがをしたとしています。

イギリス国防省は19日、ウクライナ軍が、東部ドネツク州西部にある川に沿って前進し、ウロジャイネを解放したとする一方、この1週間、ほとんどの前線はこう着状態だとの分析を発表しました。

そしてウクライナ、ロシア双方とも、相手の強固な防衛線の突破を試みているものの、新たな攻撃のための戦力は限られているという同じ課題に直面していると指摘しています。

ロシア 北朝鮮にミサイルの技術協力か

アメリカのシンクタンクは、ロシアが北朝鮮に対してICBM=大陸間弾道ミサイルの技術協力を行った可能性があるという分析結果を公表しました。

アメリカのシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所は17日、北朝鮮が先月に発射した新型ICBM「火星18型」について報告書を発表しました。

この中で、火星18型は、エンジンの燃焼実験が行われたあと、わずか数か月後に発射が成功したなどとした上で「高度な能力が突然、現れた。ロシア政府などの協力なしに説明は難しい」と指摘しました。

そのうえで、火星18型の形状や軌道データを分析した結果、ロシアのICBM「トーポリM」とほぼ一致しているとし「火星18型は、ロシアから提供された技術協力の結果だとみられる」と結論づけています。

これについて、アメリカ・ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は18日、記者団からの質問に対し「情報機関が注視している」と述べ、情報は把握していることを明らかにしました。

そのうえで「アメリカは、ロシアが北朝鮮から軍事物資を入手しようとしているのを確認している。ロシアは、よその国に何かを頼むときは見返りに軍事的な協力を行っている」と述べ、ロシアと北朝鮮の軍事協力に警戒感を示しました。

ウクライナ報道官「独立記念日に挑発行為の可能性」

ウクライナのメディアによりますと、ウクライナ国防省情報総局の報道官は、今月24日のソビエトからの独立記念日について「この日にロシアが挑発行為を行う可能性がある」と述べ、ロシアによるミサイル攻撃などで市民に被害が出ることへの警戒感を示しました。

東京開催のG7にウクライナ議長ら出席へ

複数の関係者によりますと、来月7日から東京で開かれる予定のG7=主要7か国の下院議長会議に、ウクライナの議会にあたる最高会議のステファンチュク議長をはじめとする10人以上の議員団が参加するということです。

ことしは、日本がG7議長国であることから東京で開催されるもので、議員団は、日本滞在期間中、岸田総理大臣への表敬訪問のほか、G7各国の議長らとの個別の会談も行う方向で調整が進められていて、ウクライナの首都キーウの姉妹都市である京都市も訪れる予定だということです。

ウクライナは、軍が反転攻勢の作戦を進めていますが、ロシアによる軍事侵攻からまもなく1年半となるなか、欧米各国の間に支援疲れが広がらないか危機感を募らせています。

ウクライナの議員団としては、ウクライナに対する軍事支援や、復旧・復興のための支援の強化に向けては、各国議会の判断がカギを握るとして直接、協力を求めるねらいがあるとみられます。