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高校野球 慶応が沖縄尚学に勝利 103年ぶりにベスト4進出

夏の全国高校野球は大会12日目、準々決勝の第1試合は、神奈川の慶応高校が沖縄尚学高校に7対2で勝って、103年ぶりにベスト4進出を決めました。

目次

慶応は序盤、キレのあるボールを投げ込む沖縄尚学のエース、東恩納蒼投手から得点を奪えず、4回にツーランホームランで先制される苦しい展開になりました。

2点を追う6回、連続ヒットと、フォアボールで満塁のチャンスを作り、4番、加藤右悟選手が走者一掃のタイムリーツーベースを打って逆転しました。

さらに、5番の延末藍太選手から7番の福井直睦選手まで3連続ヒットで続き、この回一挙6点を奪って突き放しました。

投げては今大会で初めて先発を任された2年生の鈴木佳門投手が5回2失点と試合を作り、6回以降は投手リレーで追加点を与えませんでした。

試合は慶応が7対2で勝って、1920年以来、103年ぶりにベスト4に進みました。

沖縄尚学は東恩納投手が5回まで三振7つを奪い、ヒット3本に抑える好投を見せましたが、6回に一気に失点を重ね、あとを受けたピッチャー陣も慶応の勢いを止めることができませんでした。

沖縄尚学 マウンド守り続けたエースの目に涙なし

この夏、ほぼ1人でマウンドを守り続け、チームを支えてきた沖縄尚学高校のエース、東恩納蒼投手。

6回に集中打を浴び、ベスト4進出は果たせなかったものの、エースの目に涙はありませんでした。

ピッチャーをけがから守るために、高校野球で1人のピッチャーが投げる球数を1週間に500球以内とする球数制限が導入されてから、1人のピッチャーが投げ続けるケースはあまり見られなくなりました。

こうした中でも、東恩納投手は沖縄大会から今大会まで7試合中5試合を完投。

その間、およそ50イニングを投げて失点はわずか「1」。

比嘉公也監督が絶対の信頼を置いての起用でした。

この日も5回までは東恩納投手が「ここまでで一番いいピッチングだった」と話すように、速球、変化球ともにキレは抜群。

4回には上位打線から3者連続三振を奪うなど5回までヒットわずか3本で、無失点に抑えました。

しかし6回、慶応の先頭バッターの代打が告げられると、球場の空気が一変します。

元プロ野球選手で春夏の甲子園で歴代最多の通算13本のホームランを打った清原和博さんの次男、勝児選手の登場です。

アルプススタンドを埋め尽くした慶応の応援団のボルテージが一気に上がりました。

東恩納選手は「これで力んでしまった」とボールが高めに上ずり始めます。

清原選手こそ抑えたものの、そのあとヒット5本を集められて一気に逆転を許し、今大会で初めて、マウンドをほかのピッチャーに譲りました。

試合後、涙はなく、むしろ晴れやかな表情で報道陣の取材に応じた東恩納投手。

「きょうの相手には気を抜くとバンバン打たれると思って、最初から最大の力を入れて投げたが、まだまだ相手の方がうわてで、自分が下でした。やりきったし、最高の場所で終われてよかった」。

そして、高校卒業後の進路について聞かれると、プロ志望届は出さず大学に進学する意向を明かしました。

「今までの試合すべてを見ても、きょうの試合が一番だった。それでも相手が格上だった。きょうの試合を糧にして、次の場所でのプレーに生かして、将来的にはプロに行けたら」。

《両チーム談話》

慶応 丸田湊斗選手「狙い球を絞って打席に」

慶応高校の1番、丸田湊斗選手は2点を追う5回終了後のクーリングタイムで「全部の球種を追ったら打てる投手ではないので、それぞれ狙い球を絞って打席に立とうと、キャプテンの大村選手と監督から話がありました」と明かしました。

そのうえで、6回にツーベースヒットを打ってチャンスを作った場面について「1アウトでしたが、この回に1点でも取ろうと思って打席に立ちました。結果として抜けてくれて、勢いをつけられたかなと思います」と話しました。

また、ベスト4進出について「試合が終わったときに広陵戦以上の声援を頂いて、自分たちが歴史を作ったんだなと思いました。それをプレッシャーと感じずに、『自分たちが歴史を作るんだ』と思って試合に臨みたいです」と話していました。

慶応 加藤右悟選手「甘い球をしっかり打てた」

慶応高校の4番、加藤右悟選手は2点を追う6回、1アウト満塁のチャンスで、逆転の走者一掃、タイムリーツーベースを打った場面について、「それまでの打席で三振していて、自分のスイングができていなかったですが、ネクストバッターズサークルにいるときに森林監督が笑顔で『おもいっきりいけ』とジェスチャーしてくれたので、初球から振りにいきました。甘い球を待ってしっかり打てて安心しました」と話していました。

ベスト4進出については、「率直にうれしいです。目標は日本一で、これまでどおりただの1試合なので、全力で笑顔で楽しく野球をやりたいです」と話していました。

沖縄尚学 東恩納蒼投手「慶応高校が1枚うわて」

先発した沖縄尚学高校のエース、東恩納蒼投手は5回まで7つの三振を奪うなど好投したことについて「甲子園でこれまでに投げていなかったフォークを多く投げました。相手の頭にない球種を有効的に使うことができ、5回までは予想以上にいいピッチングができました」と振り返りました。

また、6回に入って逆転を許した場面について「相手が狙い球を絞ってきているという印象はありませんでした。クーリングタイムが終わり、どちらに流れが転ぶかわからない状況であれだけの打撃をみせた慶応高校が1枚うわてでした」と話していました。

沖縄尚学 仲田侑仁選手 ホームランは「力まずに打てた」

沖縄尚学高校の仲田侑仁選手は4回に先制のツーランホームランを打った場面について「初球のカーブを狙って打席に入りました。打った瞬間にスタンドに入ると思いました」と振り返りました。

また、これまで熱心にバッティング指導にあたってくれたという比嘉公也監督について「ホームランを打った打席に入る前に背中を『ポンッ』と押してくれて自信になりました。狙い球が来たときに力んでしまう悪い癖を指摘されてきましたが、力まずに打つことができたので成長した姿を見せることができたと思います」と話していました。

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