ソフトバンク 石川柊太 ノーヒットノーラン達成 史上88人目

プロ野球、ソフトバンクの石川柊太投手が18日夜、福岡市のPayPayドームで行われた西武戦でノーヒットノーランを達成しました。プロ野球でのノーヒットノーラン達成は史上88人目で、99回目。今シーズンでは初めての達成です。

史上88人目の快挙達成

ソフトバンク10年目の石川投手は今シーズン、18日の西武戦が17回目の先発登板でした。石川投手は西武打線を相手に序盤からキレのあるストレートに加え、持ち味のカーブなどの変化球も効果的に使って8回までヒットを1本も許しませんでした。

そして9回は、先頭の1番・蛭間拓哉選手から空振り三振を奪うと、続くバッターにはデッドボールで出塁を許しましたが、3番の西川愛也選手からは空振り三振、そして4番の中村剛也選手をファーストゴロに打ち取ってノーヒットノーランを達成しました。

石川投手は31人のバッターと対戦してフォアボール3つ、デッドボール1つを与えましたが三振を8つ奪い球数は127でした。

プロ野球でのノーヒットノーラン達成は去年8月、日本ハムのポンセ投手が達成して以来、史上88人目で、99回目。今シーズンでは、初めての達成です。
試合はソフトバンクが8対0で勝ちました。

石川柊太「気持ちよく投げることができた」

ノーヒットノーランを達成したソフトバンクの石川柊太投手は試合後のヒーローインタビューで「できると思っていなかった。打線がたくさん点をとってくれたので気持ちよく投げることができた。達成の瞬間は、自然と笑みがこぼれたし、勝利に貢献できてほっとした。毎試合ノーヒットノーランを目指しているが1回にヒットを打たれているので、今回も意識は最後までしていなかった」と話しました。

そのうえで「インコースのストレートでアウトを取れたのが大きいが、フォアボールがあるので、まだまだなところもある。次の登板がよくなくて『あれだけか』と思われないように次も同じようなピッチングができるようにしたい。一緒にいてくれたファンに感謝したい」と話しました。

《記者会見》「育成出身は関係ない どんどん上を目指す」

石川投手は試合後、福岡市のPayPayドームで記者会見を行い「試合中、だんだんと野手からの声がけがなくなってきて、ベンチでもよそよそしさを感じていた。それでも、自分のやるべきことは、キャッチャーが要求した球を投げることだと思っていた」と振り返りました。

育成選手出身としてノーヒットノーランを達成したのは、去年までソフトバンクに在籍し、現在は大リーグのメッツに所属する千賀滉大投手に続いて2人目で「何でも千賀投手が先にいっているなと思ったが、千賀投手のようなすばらしい活躍ができるよう頑張りたい」と話していました。

そのうえで「マウンドに上がったら、育成出身は関係ないので、どんどん上を目指していきたい」と今後に向けて意気込みを語りました。

【石川柊太 投球内容】

31人の打者と対戦して127球を投げました。

27個のアウトのうち
▽三振が8つ
▽内野ゴロが9つ
▽内野フライが4つで、ファウルゾーンへの打球でした。
▽また外野フライが6つで、3割以上がフライでのアウトでした。

このほかフォアボールは3つ、デッドボールは1つでした。

石川投手は育成出身 3年前に最多勝など獲得

ソフトバンクの石川柊太投手は、東京都出身の31歳。150キロを超える速球と大きく曲がるカーブが持ち味の右投げのピッチャーで、創価大学から2014年に育成ドラフト1位でソフトバンクに入団しました。

入団後はけがに悩まされましたが、プロ3年目の2016年にシーズン途中で支配下登録されると、4年目には初めて1軍のマウンドを経験し、先発や中継ぎとして34試合に投げて、8勝3敗の成績をあげました。

その翌年はシーズン前半に先発ローテーションの一角としてチームを支えたほか、後半戦は中継ぎも務めてあわせて42試合に登板し、チームトップタイの13勝を挙げる大車輪の活躍を見せて、プロ5年目で自身初となる2桁勝利をマークしました。

そして7年目(2020年)は開幕から先発ローテーションを守り、18試合に登板して11勝3敗、勝率7割8分6厘で自身初のタイトルとなる最多勝と最高勝率を獲得しチームのリーグ優勝と日本一に貢献しました。

プロ10年目の節目となった今シーズンは、ここまで16試合に先発して3勝5敗、防御率は3.84と、負けが先行する内容でしたが、18日の西武戦で、見事にノーヒットノーランを達成して、およそ3か月ぶりの勝利を手にしました。

《ここ10シーズンでの達成者は》

▽岸 孝之(西武) 2014年5月2日 ロッテ戦
▽山口 俊(巨人) 2018年7月27日 中日戦
▽千賀 滉大(ソフトバンク) 2019年9月6日 ロッテ戦
▽大野 雄大(中日) 2019年9月14日 阪神戦
▽小川 泰弘(ヤクルト) 2020年8月15日 DeNA戦

【昨季は5人達成】
★佐々木 朗希(ロッテ) 2022年4月10日 オリックス戦
  ※完全試合最年少(20歳5か月)
▽東浜 巨(ソフトバンク) 2022年5月11日 西武戦
▽今永 昇太(DeNA)2022年6月7日 日本ハム戦
▽山本 由伸(オリックス) 2022年6月18日 西武戦
▽ポンセ(日本ハム) 2022年8月27日 ソフトバンク戦