利根川水系ダム貯水量減 取水制限も 国交省“節水に協力を”

首都圏に水を供給している利根川水系の関東北部にある9つのダムの貯水量が大きく減っています。7月以降、雨が少ないことが要因で、国土交通省は今後さらに貯水量が減れば取水制限をする可能性もあるとして日ごろからの節水に協力を呼びかけています。

国土交通省関東地方整備局によりますと利根川上流の流域では、7月の降水量が90ミリと過去の平均の230ミリの半分以下にとどまっています。

このため関東北部にある利根川水系の9つのダムをあわせた貯水量は18日午前0時点で66%と、平年の8割あまりとなっています。

このうち最も容量の大きい群馬県の矢木沢ダムでは7月下旬から貯水率が低下し始め7月24日は82%でしたが31日に54%と大きく減り、現在は36%と貯水率は9つのダムの中で最も低くなっています。

みなかみ町藤原にある気象庁の観測点では7月下旬の雨量がわずか8.5ミリと平年の61.9ミリを大きく下回っています。

気象庁によりますと、ダムのある関東北部では7月下旬から8月はじめにかけて、高気圧に覆われた影響でまとまった雨が降らなかったということです。

関東地方整備局では今後、9つのダムの貯水率が50%を下回る見込みになった場合には取水制限の検討を行うとして状況を注視するとともに、蛇口をこまめに閉めるなど日ごろからの節水に協力をしてほしいとしています。

小池都知事「めりはりをつけた無理のない協力を」

首都圏に水を供給している利根川水系の関東北部にある9つのダムの貯水量が大きく減っていることについて、東京都の小池知事は記者会見で「今後の気象状況によっては、さらに貯水率が低下する可能性があり、節水への協力をお願いしたい。例えば、歯磨きやシャワーなどで水の流しっぱなしを止めるといった一人ひとりの協力が大きな効果につながる。めりはりをつけた無理のない協力をお願いしたい」と述べました。