全国の地方銀行 4-6月決算 半数が減益 貸し倒れに備える費用増

全国の地方銀行のことし4月から6月までの3か月間の決算が出そろい、全体の半数が減益となったことが分かりました。分析した会社は、この夏からいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化するのを前に、貸し倒れに備える費用が増えたことが収益を圧迫したと指摘しています。

金融機関に資産運用などの助言を行っている東京の会社が、全国の地方銀行98行のことし4月から6月までの3か月間の単体の決算をまとめたところ、全体の半数にあたる49の銀行の最終利益が減益となりました。

新型コロナに対応した実質無利子・無担保融資、いわゆる「ゼロゼロ融資」の返済がこの夏から本格化するのを前に、貸し倒れに備えて費用を計上したことで減益となる地銀が相次いだということです。

また、アメリカの金利上昇の影響で含み損を抱えた債券を売却する動きも続いていて、これも収益を圧迫する要因となったとしています。

地銀の決算の分析にあたった日本資産運用基盤グループの石田淳執行役員は、「人手不足やさらなる物価上昇で飲食業をはじめとした中小企業の経営は厳しさを増している。今後、企業の倒産が増えれば地銀の業績にも一段の影響が及ぶのではないか」と話しています。